タバコの話

1998年6月12日改定



 

 昔、まだ大学生だったころ、新聞に

  「タバコ1本で14分29秒寿命が縮まる」

という記事が載っていました。大事にスクラップしたはずなんですが、もう紛失したようです。だいぶ権威のあるアメリカの施設(NIH=国立衛生研究所じゃなかったかなぁ)からの疫学調査だったと思います。てなことで今日はこのネタをしゃぶってみることにしましょう。

 

 この記事がほんとうだとすると・・・

 タバコ1箱(20本)で5時間寿命が減る。1日1箱吸うとしますと、1日24時間のはずが29時間使っていることになります。日本人の非喫煙者の寿命を84歳と推定しますと、18歳から吸い始めた人は、平均して73歳ごろに亡くなることになります。つまり、11年寿命が短縮するのです。55年の喫煙人生で吸えるタバコは約40万本になります。

 さて、1箱250円(このうち半分以上は税金ですが)とすると総タバコ代は 500万円になります。結構安いような気もしますが、私はタバコより 500万円のほうがいいですがね。

 

 日本は今老齢者人口がどんどん増え、年金の負担がうなぎのぼりになっています。我々のころにはおそらく払った分はもらえないだろうと言われていますが、1日1箱タバコを吸う人が11年他人より早く死ぬと、国はもうかりますね。人により異なりますが、1月15万円もらえるはずの人なら総額で 1980万円も国がもうかります。10万円なら 1320万円ですね。つまり、もらえる側の立場から言うともらえる額が減るわけですが、国はこれに加えて、年金の支給時期を後らせようとしています。我々の頃には少なくとも3年くらいは後れるだろうという憶測もあるので、さらに 360〜540万円受取額が減るのです。タバコを吸うことで国に 2000万円以上の寄付をしていることになるのですから、喫煙者は偉いものですね。でも一番偉いのは、タバコを2箱以上吸う人(計算上は年金支給前にお亡くなりになります)です。なにせ、年金はいっさいもらわないという潔さ。家族にとってはとんでもないヤツですが、国民栄誉賞くらいもらってもおかしくないと思うのは私だけでしょうか(うちの父親は1日2箱吸って62歳で肺ガンで逝きました・・・栄誉賞贈ってやってください!)。

 

 さて、さらに机上の空論が続きます。500万円のタバコ代に、この寄付した 2000万円を加えますと、タバコというのは1箱 250円と書いてあるクセに、実際は 1250円なのですね。タバコ1箱買うごとに(見えない)1000円札を捨てているようなものです。あなたの吸っているタバコは1本 60円もするのですよって言われたら、リッチな気分になりそうですね。ま、ラテンアメリカの国などでは国策で1箱 500円以上の値段をつけ、低所得者層には吸わさないようにしてできるだけ輸出にまわして外貨を稼ぐところもあるようですから、GNPで換算するとそれほど法外な値段ではないような気もします。

 

 タール1mgのタバコに換えようと思ったあなた、ちょっと待ってください。タールは発ガン物質だから安全だと短絡的にお考えでしょうか。上のようなおいしい味を知っている政府がそんなもの認めるわけはありません。タールは発ガン物質の中の一つではありますが、タバコの発ガン物質はそれだけではありません。タールの代わりに他の検出できない物質を加えていたりしているかもしれませんよ。「メリット」って誰にとってのメリット?

 

 え、私ですか。非国民ですいませんが私は吸いません(オチになっていませんね)。


<付録>喫煙者さんへのアドバイス


下の空欄をうめてから結果ボタンを押してください。

次の前提のもとに計算します。
 ・タバコを吸わない日本人は平均85歳まで生きる
 ・タバコ1本で15分寿命が短縮する
 ・あなたが普通の日本人(人間)である


あなたの年齢は?      
タバコを始めた年齢?    
1日のタバコの本数は?   本    

 

 


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