名ばかりのCTは道をあけろ

1998年3月26日


 

 すいません、車じゃなくて医療機器の話です。CTは computed tomography と言うように、半分はコンピュータの性能に拠っている。有名なムーアの法則によると

「同じコストのコンピュータは12ヶ月で性能が2倍向上する」

ので、10年前のCTは現在のものの1/1000 の計算速度ということになる。いい例えが思いつかないが、そのまま速度で例えるなら

三輪車(時速1〜2km)と

超音速ジェット機(マッハ1=時速1200km)

くらいの差に匹敵する。

 これだけ差があると同じ値段のものを買う必要はない。かなり安いものを買っても数百倍計算は速いのだ。しかもヘリカルスキャンという3次元データが得られ(古いCTは2次元、まさに次元の違う性能です)、画質もはるかによい。

 ヘリカルCTは中級機ですでに 5000万円をきっており、まっとうな病院であれば1年〜3年で十分にもとがとれる価格帯まで下がっているのである。レーザーイメージャと3D用のワークステーションをつけても8000万円でお釣りがくる。

 さて、10年前のCTを使いつづけている病院にお勤めのみなさん(私もその一人だ)。古くて遅くて被曝線量が多くて、周辺機器が場所をとって、おまけに画像が汚いCTをお使いのみなさん(自分のことだ、オーイオイ <- これは泣いているのです)。

 院長に言いましょう。
「高速道路に三輪車の走向を許して高速道路の役目が勤まるとお思いですか」と。

 院長がだめなら患者に言いましょう。
「当院のCTは遅くて画像が汚くて放射線が多いです。もし病変を見落しても機械のせいですから病院を訴えないでくださいね。あ、検査費は他の病院と同じだけいただきます。くれぐれも訴えないでくださいね(訴えるならXX院長個人ね!?)」と。

 


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