日経バイタ

1998年5月3日


 


 最近、電車の中などで堂々とコンパクトを出して、せっせと化粧を直している人がいます。かっこいいですねぇ?
 「最後の?はどういう意味だ」っておっしゃるんですか。ええと、これはですね。海外のほとんどの国では、化粧を公衆(異性)の面前で直すのは世界で一番古いとされるある職業婦人の所業とされているからです。つまり売春婦です。

 男性諸君は知っていますね。あの、国際犯罪の裏まで克明に描きあげる「ゴルゴ13」で、公衆の面前で堂々と化粧を直している女性はすべて売春婦として描かれていることを。さすがは著名なブレーンをたくさんかかえた巨匠さいとうたかを氏です。ところが、残念ながら日本の女性はこのことをよく知らないのです。
 最近、海外で女子の留学生や旅行者が変死体で見つかることが多いですが、それもこの風習と関係があるのかもしれません。

 知り合いの現地人男性の車に乗せてもらって、ついコンパクトを出して顔をチェック。オープンカーならツケまつげも取れそうになるしね。しかし、それを見た運転席の男性、気が気でありません。海外の常識では、隣にいるのは「やる気満々の後腐れのないオンナ」ですから。

「おやぁ、こいつ車に乗せてくれたお礼に乗せてくれるのかな。
いくらか取るんだろうか。まあ、次のモーテルに入ってみよう」

 喜び勇んでモーテルに突入したが、騒がれてあせってしまい、思わず首をギュッ! 先日のあの事件もこうして生まれたのかもしれません。

 ハワイのバーでカクテルを飲みながら化粧を直しているお嬢さん方、気をおつけなさい。その行為は

「さっきの客がしつこいから化粧がみだれちゃったわん。
でもまだ今夜は稼ぐつもりなので、そこのお金持ちさん、いま受付中よ」

とまわりの人には見えるのです。え、実際そのつもりで来てるって? 海外まで来てバイト(って出稼ぎ?)ですか。失礼しました。

 こういう人を「日経バイタ」というのでしょうか。ところで、良識のあるレディは化粧はトイレで直しましょうね。


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