前立腺癌

大昔のMRI像です。前立腺の前下部に結節らしきものが見えます。
普通はT1強調画像ではほとんどわかりません。T2強調画像で勝負です。

前立腺癌の解説

多発することが多い(2/3)。

2割は本来の内腺である transitinal zone に発生する。
1割は central zone に発生する(合わせて約3割が内腺由来)。
残り7割は外腺にあたる peripheral zone 発生である。

MRIでは内腺に発生した癌は低輝度を示す例が多く、内腺がT2強調画像で低輝度
のためMRIでは診断が困難なものが多い。
粘液癌はT2強調画像で高信号となり、コントラストがつきにくい。高度の石灰化を
示すこともある(特に印環細胞癌)。
精嚢浸潤はT2強調画像で低信号となるが、アミロイド沈着でも低信号となるので、
造影が鑑別に有用。

嚢胞変性の部分が多いと、他の嚢胞性腫瘤と鑑別困難になることもある。

リンパ節転移は手術の適応がない。リンパ節浸潤例は血行性転移も多いから
である。 転移場所は閉鎖節・内腸骨・外腸骨リンパ節に多い。
精嚢浸潤・膀胱頚部浸潤・被膜浸潤も前立腺全摘後の再発例が多く、普通は手術の適応外。

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