腎悪性リンパ腫(続き)

尾側のスライス(拡大)

右腎の腫れが目立ちます。
左腎の下極は腫瘤が集簇しています。
大動脈周囲にもリンパ節と思われる軟部組織が集簇。

腎悪性リンパ腫の解説

腎にはリンパ組織はもともとない。
悪性リンパ腫全体の 1/3 に腎浸潤を見る。
泌尿器系の浸潤は造血器および網内系についで多い(睾丸含む)。
両側性のことが多い(2/3〜3/4)。

腎のリンパ腫のパターンは6つある(Richmond)。            

 ・腎実質に腫瘤をつくるもの(一塊の腫瘤、孤立性の腫瘤、多発性の腫瘤)
 ・腎の腫大としかとらえられないもの                 
 ・腎周囲から浸潤するもの                      
 ・正常CT像を呈するもの(顕微鏡でのみ診断可能)          

   この中では多発性の結節のタイプが最も多い。腎周囲進展型も多い。 

いずれも造影CTにては、腎実質よりエンハンスが弱い。
まれに尿管周囲を経て、膀胱と腎の同時浸潤が見られる。

PREVHOMENEXT