膀胱憩室(続き)

先ほどとは別の患者さんです。
この写真、実は膀胱内にオリーブ油を入れ、腹臥位にして撮ってあります。
膀胱の前壁に接するものは尿で、その背側に油があるわけです。
憩室内にも油が充満しています。左の写真では膀胱への開口部が見えていますね。
憩室の壁は非常に薄いので、一部見えておりません(実は写真が悪いから)。

膀胱憩室の解説

筋層の間より内層(上皮)が脱出してできる。ほとんど全部が筋層を欠く。
先天性のものと後天性のものとがあるが、後者のほうが多い。

特発性のものは尿管口付近に見られやすい(Hutch diverticulum)。これはこの部分が筋層を欠くためと考えられており、
両側性が多く、高率にVURを認める(特に尿管が憩室に開口しているもの)。

二次性のものは後部尿道弁など下部尿路の閉塞性疾患などに多く、これも内尿道口周囲に多い。

収縮の遅延は憩室の開口部が狭いもので特に顕著に見られる。
憩室内の悪性腫瘍発生率は正常部に比してやや高い程度であるが、
一度発生すると壁が薄いために容易に外側へ浸潤する。

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