頸椎、胸椎において神経孔(椎間孔)の評価は対象が小さいために評価が困難である。しかし、腰椎は椎間孔が大きく、またヘルニアなどの疾患も多いために、椎間孔内の評価が必要になることもしばしばある。
・T2強調画像矢状断像
椎間孔レベルまで十分に外側を含められばよいが、スライス厚と枚数の関係上なかなか難しい。
・T2強調画像あるいはT1強調画像の横断像
椎間レベルを3〜4枚撮る。椎間板中央を含む断面は必ず必要で、椎間孔の上半部のレベル(上位腰神経の通るレベル)、椎間板よりやや下のレベル(下位神経根が出た直後のレベル;lateral recess の評価に有用)が必要。
以上がルチーンの延長上の評価方法であるが、ルチーンとの重なりも多く、その意味では無駄が生じる。当院では椎間孔内の精査は神経根嚢の走行を考えて前額断を愛用している。スライス位置の描出能への影響を避けるためには
3D-GE 法でのT1強調画像(TE=4.6msec;1.5T の場合)を使用した連続 2mmスライス(1mm オーバーラップ)前額断が有用である。
椎間孔は一般に脂肪織が豊富でありバックグラウンドが均一な高信号となるために、椎間孔全長にわたる神経根嚢の評価が容易である。画質もよい。前額断のために前後からの圧迫の評価は難しいが、その場合は横断像や矢状断や斜位で再構成することでカバーできる。
3D-FFE 法(TR/TE/FA=25/4.6/30, FOV=320, THK/SPC=2.0/-1.0,
撮像時間は
SLC=20〜30枚で2:12〜3:45)