質量保存の法則(メディカル憩室その15)

 


 脂肪・糖質・蛋白質を問わず余分なカロリーは、脂肪(正しくは中性脂肪)に転換されて体(皮下脂肪や腹腔内脂肪)に貯えられます。脂肪は 1gあたり 9Calの熱量を持つので、余分なカロリー 9Calごとに 1g体重が増えるわけです。

 ご飯1杯の熱量は茶わんの大きさにもよりますが、150-200(どんぶりでは約 350)Cal くらいでしょう。コーヒーや紅茶に入れる砂糖はせいぜい 3-5g ですから、熱量としては 12-20 Cal です。私は1杯のご飯をだいたい6口で平らげますが、おクチの小さい方は1杯10口とすれば、だいたいご飯1口と紅茶1杯分の砂糖がカロリー上は等価になります。ダイエットのために紅茶をノンシュガーで飲むのと少しご飯を減らすのとどちらを選択しますか。せっかく甘い紅茶を10杯控えても、ご飯をガバガバおかわりしてはまったく意味がありませんね。

 さて、毎日ご飯1杯増やすとすると、1日あたり約20g体重が増えることになります。50日で1kg。毎食(1日3食)1杯ずつ増やすと、この増加速度が3倍になるわけで、1ヶ月で2kg 増えることになります。

 さて、物理学の世界に「質量不変の法則」があります。
 
「水を飲むだけで太っちゃって」という人がいますが、水は0Calですから、脂肪つまり体重が増えるわけがありません。ウソツキィ。もし増えたとしたら、それはむくんでいるだけですね。これは心臓か腎臓が悪いのではないでしょうか。足だけがパンパンに腫れる人は下肢の静脈やリンパ管の流れが悪いのかもしれません。
 ということで「健康に」太っている人はほとんど脂肪太り、すなわち過量摂取なわけです。余分な体重は体につけた重りのようなもの。このため背骨が曲がり膝は変形します。
 余分なカロリーはとらない。これが命とお金の賢い節約方法です。

     闇に隠れて食べる おれたちゃ 妖怪ブタ人間なのさ
     チャッチャチャッチャチャッチャッチャー
     人にハダカは見せられぬ マグロのようなこのカラダ
     「早くニンゲンになりたーい」
     グロい脂肪を吹き飛ばせ〜
     妖怪ブタニンゲン


 

 

ホームへ メディカル憩室目次