西村由紀江
10人のピアニスト
10人のピアニストによる演奏を各2曲ずつ収録した2枚組全20曲入りのスペシャル・コンピレーション盤。その顔ぶれはというと、西村由紀江・国府弘子・中村由利子・島健・妹尾武・榊原大・村松健・藤原いくろう・遠野篤史・木住野佳子という多彩な面々。この10人はジャズ系、クラシック系、J-POP系とタイプが異なるのに、選曲の妙なのか、アルバムとしてちゃんと統一感がとれている点にまずはびっくりだ。 それにしても、レーベルもジャンルも異なる10人の演奏をまとめて聴けるというのはありがたい。私の場合、島健・国府弘子・木住野佳子・西村由紀江の4人に関しては、ここに入っている演奏は、彼らのリーダー作ですでに聴いていた。しかしそれ以外の人の演奏は本作で初めて聴いたからだ。もしこういう編集盤がなかったら、たぶんずっと聴く機会はなかっただろう。ふだんクラシック系の音楽を聴いている人には、逆のケースもありうるはず。ピアノと一口にいっても、それを使って表現する音楽は十人十色だということを実感させられるアルバムだ。(市川正二)