03.10.27(月)

 


     11万と7500ヒット! どうもありがとうございます。

    ◆画像診断を考える
     画像診断はほんとうに医師のレベルの差が激しいです。患者の治療で大忙しの一般医が最新の医療機器の画像診断をできるわけがないというのが我々医者の認識ですが、世間の方々は医師であればどんな画像でも読めると思ってらっしゃいます。産婦人科医でも脳波が読める・・・なんてワケないでしょ?
     画像診断の読影でも医師により非常な差があるのです。当然でしょ?
     たとえばどこの病院(医院ではなく大きな病院)にもあるCTを例にとって私の感覚で勝手に分類してみましょう。

     

    レベル1

      フィルムの右も左もわからない・・・いわゆる一般人レベル(元・医学部教授レベル?)・・・しかし、TVの医学ドラマではフィルムがたいがい上下か左右が逆になって提示されていても医師役の役者が異常を(真剣な顔で)指摘することができるので、一般人たる役者より低いレベルかもしれない

    レベル2

      左か右かはフィルムを見て判断できるが、何が写っているかわからない(医学生低学年〜他科研修医レベル) ・・・国家試験対策勉強で画像をおろそかにしたツケが今・・・

    レベル3

      何が写っているかはわかるが正常か異常かわからない(放射線科研修1年目レベル)・・・これでは読影にはならない・・・単なる絵画鑑賞

    レベル4

      大きな異常が指摘できるが、次に何をすべきかわからない(放射線科研修2年目レベル) 些細な所見は見落とす・・・誤診のもと

    レベル5

      ほとんどの異常所見は指摘でき、的確なアドバイスが与えられると自分で錯覚している(放射線科実地経験5年未満)・・・裁判のもと

    レベル6

      まずまず正確な診断、無難なアドバイスが下せる(放射線科実地経験10年程度)・・・ようやく使い物になるレベル

    レベル7

      フィルムを一瞥しただけで異常がすべて読みとれる(放射線科実地経験問わず;普通は10年以上)・・・スーパー読影医!! 何年やってもだめな人は絶対になれない

     

     若い放射線科医にはちょっときついですかね。私も20年近くこの商売(職業)をやっていますが、毎年
    「昨年の自分はなんてレベルが低かったんだろう」
    と思って冷や汗をかいています。いやあ、結構奥が深いもんです。;


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