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◆得手に帆をあげる
ということわざがあります。帆船は風がないと動けないが、風が吹けば帆に風を受け、勢いよく進んで行きます。自分の得意なことをする良い機会が来たときにそれを逃さずに調子良く行うことを言います。
亡くなったHondaの創業者本田宗一郎さんもよく使っていましたね。
私もこのことわざは好きです。
チャンスを受け止めそれを利用するには、チャンスをつかみ取る敏感な感性が必要ですが、受け止めたチャンスを長く利用し続けるにはそのチャンスが自分の好きなものと関係していないといけません。これは結婚生活と同じかもしれませんね。
私は画像診断が好きで、放射線科医師のそれ以外の仕事にはあまり熱意がわきませんでした。それは得意な人に任せばよいからです。で、画像診断なら他の放射線科医より速く正確に大量にこなせる(常ではないです)と思って、遠隔画像診断の仕事をし始めました。
毎日でなくたまに診断したり、1日に数件くらいしか診断したりしていないと、経験の蓄積が遅く、たまに経験したまれな疾患の診断は忘れてしまい、次にあたったときにすっかり忘れていたりしています。いわゆる「まのび」ですね。
私は現在年間2万件ほどの読影をしていますが、これくらいの読影量ならたいていの病気はかなりまれでも、完全に忘れるまでまたあたることが多いです。結果として短時間で高精度な所見が作成できると思います。