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◆誤診について
一般の人は誤診は起きてはならないことと思ってらっしゃいますが、誤診は避けられません。
病気というのは十分に解明されているわけではなく、現在つけた病名が10年もすれば間違っていたことが明らかになることはよくあることです。こんなものも誤診に含めればすごい割合になるでしょう。
大昔のデータですが、東大の内科(沖中先生の講座)の誤診率というのが確か
14.3%でした。かなり厳密に判定したので、大目に見ればその半分くらいでしょう。見方を変えればコスト意識のほとんどなかった(検査をたくさんできる)当時の大学病院でさえ、この程度の誤診率なわけです。
これを聞いて一般の人は多いなと思い、医師は少ないなと思ったのです。
その患者が1つの病気しか持っていないか、複数の病態が重なっているのかを判断するのは非常に困難です。高齢者の場合はたいてい後者です。
病気が現す症状も同じようなものが多く、症状のみから病気を1つに決められることはほとんどありません。
診断(画像診断も)はきわめて難しいものなのです。