本の話。
ドクター (扶桑社ミステリー)
消えた神の顔
(ハヤカワ文庫 JA 115) 「消えた神の顔」(光瀬龍;ハヤカワ文庫JA)1979年の発行ですが、第6刷として今月出たものです。発表が古い分、ちょっとなぁ、というところはあるのですが、どれも水準以上です。アンソロジーで冒頭の「アトランティスは、いま」という小品では、バーミアンという古代都市の名前が出てきますが、いまスカイラークグループの中華料理ファミリーレストランのバーミヤンもここから名前を執っているようです。あ、関係ないか。この中では本のタイトルにもなっている最後の「消えた神の顔」がもっとも気に入りました。
00.02.12(土)
エドワード・E. ローゼンバウム
Edward E. Rosenbaum
扶桑社 1992-02
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「ドクター」(E・E・ローゼンバウム;扶桑社ミステリー)を読みました。1988年の本で、高名な70歳の内科医の著者が喉頭がんに侵され、ただの患者として扱われていくうちに、自分を含めて医者がいかに患者を粗末に扱っているかに気がつくというマアよくある話です。ユーモアがあるというか、この著者、かなり大人げない言動をそのまま書き綴っており、しばしば苦笑させられます。意外なことにエンディングで著者は助かってしまい、拍子抜けしまうのでした。でもアメリカの放射線科医がそれほど優秀でないとミモフタモナイ言い方をしているところがあり、私はほっとしてしまいました。
光瀬 龍
早川書房 1979-06
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