00.06.23(金)

 


     梅雨です。朝はしとしと、昼はうっすらと晴れて蒸し暑く、夕方からはまたしとしと、いやじとじとといった感じでした。

     本日の読書。
     

    本のある生活

    本のある生活
    高田 宏

    新潮社 1979-11
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    「本のある生活」(高田宏;新潮社)

     京大仏文を卒業した人生の大先輩です。昭和7年生まれですから、うちの母親と同い年ということになります。読書一般に対するエッセイ集なわけですが、図書館から未成年を閉め出してしまえという主張が面白いと思いました。未成年はどこで勉強するのかって? 勉強館を別に作るのだそうです。なるほど。ワタシも学生のとき、北白川の私設図書館に行って勉強しましたっけ。有料でしたが、それが真剣さを産み、中は凛とした緊張感が張り詰める濃密な空間でした。時間もゆっくりと重厚に漂うように流れているような気がして、3時間あまりを集中して勉強して、その帰り道では哲学的ならぬ、ハラ減った何を食おうかと形而下学的な悩みに身をこがしたものでした。

     ここに的が出てきましたが、この本の中では「的」の由来についての話も面白かったですね。日本に英語が入ってきてしばらくして、すなわち幕末維新のころですが、「system」を組織と訳した偉大なる先人たちがいました。彼らが「systematic」を訳すのに「組織○」としたいのだが、いい字が思い浮かばないと悩んでいたところ、その中の1人が「tic 。チックだから的がテキでなんとなく似ているんじゃないか、組織的。うん、いいよな」てな感じで発案したものらしいです。中国語の語句と語句とを繋ぐ「的」の用法をまねたのではなく、単に音を合わせただけなんです。みなさん、知ってました?


 


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