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◆お見舞い
友人が不治の病でホスピスに入院しています。新幹線に乗って小郡で降り宇部線という超ローカル線に乗換え岐波駅で下車。ここは駅員のいない無人駅。ここでたまたま停まっていたタクシー(このあたりは呼ばなきゃ来ない)を見つけて国立療養所山陽病院に。HPではとんでもないさびれた病院を思わせていましたが、山口県の遠浅の浜に面したなだらかな丘の上にある実にすばらしくきれいな病院でした。友人は一瞬こちらがわかったようですが、あとはモルヒネのせいか意識が朦朧としておりました。無沙汰を詫び、しばらく奥さんと思い出話をして時を過ごしました。
窓の外は風光明媚な瀬戸内海の景色が広がっています。沖の小島との間が狭い海峡を形成している趣きですが、波はおだやかで日差しは柔らかくまさに一幅の絵のようです。地上の楽園でしょう。少なくとも現実を忘れさせてくれる場所です。病気のことを考えると心は晴れませんが、生涯の最後にこういうところにたどりついたのは彼にとっても最悪の不幸中の一片の幸いでしょうか。これ以上は書けません。
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