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◆読書
「成人病の真実」(近藤誠;文春文庫)の続き
第四章からは少し趣が違うので、ここで第一章から第三章までの総括をしますと、医師(主に内科医)と製薬会社とのコラボレーションが「ガイドライン」作成という窮極の方法論を得て効果を発揮しているということが言えます。なにせ日本の医者の半数以上が内科医ですから。遠い昔日本人を席巻した寄生虫症が激減したので、寄生虫専門医が日本に住めなくなったという事例がありました。そこまで極端ではないですが、治療をしなくていい血圧の高めの人、治療のまったく不要な血中コレステロールの高めの人、血糖のやや高めの人を「ガイドライン」で患者に仕立て上げてしまえば己の身は安泰でしょう。内科医がいくら多いと言っても日本人の1/4以上を高血圧患者にしてしまえば、おまんまはたらふく食えます。
糖尿病の基準もしばらく前は空腹時 140mg/dl以上だったのが、いつのまにか 126mg/dl
に引き下げられたのも外国の基準が変わったからという安易な便乗値下げです。基準が厳しくなった(値が引き上げられる)のなら、こんなに無批判に変更したのでしょうか。「いや、これは外国人と日本人とは体格も食習慣も違うから、日本人のデータをもとにしないと」という意見が大勢を占めるに違いありません。ま、それが正論ですしね。正論より利害を優先するのはどこかの(どこの?)政府と同じですね。
まあ、糖尿病の件では空腹時 200mg/dl以上などの過度の高血糖を下げる必要は確かにあるわけですが、インスリン療法も経口血糖降下剤も長期の管理には不十分で、もっといい療法が出れば状況が変わる可能性がありそうです。その場合もこの厳しすぎる基準(内科医には甘い・・・糖尿だから当然?)の見直しは当然必要でしょうが。
うがった見方をすれば、医療費の高騰を嘆く厚生省がこれらの状況を野放しにしているのはこれらの動きが高年齢者の死亡率を上げてくれる方法だからかもしれません。年金受給者を減らせば、医療費が多少増えてもOKでしょ? 管轄はどっちも同じ省庁だからね。
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