04.08.18(水)

 


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    ◆読書

    成人病の真実 (文春文庫)

    成人病の真実 (文春文庫)
    近藤 誠

    がん治療総決算 (文春文庫) 患者よ、がんと闘うな (文春文庫) あなたの癌は、がんもどき 再発・転移の話をしよう データで見る抗がん剤のやめ方 始め方
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     「成人病の真実」(近藤誠;文春文庫)の続き

     第五章は医療ミスの話。
     医療ミスは医師本人が行った手技が引き起こしたものは当然医師の責任ですが、医師の指示を聞いた看護師がミスすることがあります。この場合は医師でなく、指示を実施した看護師が責任をとることが多く、医師の責任が問われることは少ないのですが、全然懲りずに同じことを繰り返す人もいます。
     看護師に口頭で指示して、後から処方箋書いたり、オーダーを入力したりするのでどうしても指示があいまいになります。カルテに記載する義務もありますが、書き忘れたり、書いてあっても意味不明のこともあります。日本国民の識字率の高さは有名ですが、それは医師の書いたカルテの字を読ませないからでもあります。
     医療ミスを減らす一番いい方法は看護師の数を増やして、とにかく彼女らの仕事を減らすことです。あんなに忙しい職場でミスが起こらないはずはないからです。ところがヒヤリハット委員会などを作って医療ミス報告書(一度作られるとすぐに死蔵され、二度と日の目を見ることがない)やマニュアルを作ったりと余計な仕事を増やして、さらに看護師の足をひっぱることしか考えていないのです。病院長や看護婦長などといった現場を知らない人たちが木っ端役人の設定した
    安全対策(危険に対する対策でなく、安全を防止するような対策?)の尻馬に乗ってしまうのでたちが悪いです。
     それはそうと、この章で提言されているもうひとつの重要なことは
    術後の抗生剤投与をやめようということです。術前に投与しておいて術中に抗生剤の血中濃度が十分に上昇しておればいいのです。これさえやっておれば、術後に抗生剤を投与しようがしまいが感染症発生率には変わりがありませんむしろ抗生剤耐性菌による院内感染を防ぐためには術後投与はしないほうがいいのです。
     日本では習慣的に術後投与している外科医がほとんどのようです。ここでも外科医と抗生剤メーカーの長年のコラボレーションが影響していないとは言えませんよね。  


 


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