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◆読書
「成人病の真実」(近藤誠;文春文庫)の続き
第六章はインフルエンザ脳症の話。 ここで近藤氏はインフルエンザ脳症はライ症侯群であると断定しています。私もよく似ているなと思っていましたが、そう考えるとかなり納得がいきます。肝障害があるかないかにそれほど執着しなければ、インフルエンザウィルスの関与したライ症侯群とも呼べます(ライ症侯群のうちインフルエンザウィルスの関与するものは以前から知られています)。たしかにインフルエンザ脳症の重症例や死亡例はライ症侯群の診断基準を満たすものが多いようです。
ライ症侯群であれば、アスピリンを使わないと発症する確率はぐんと減るはずです。日本ではすでにこの手の小児の発熱にはアスピリンは使わないように指導されていますが、ポンタール・ボルタレンなどの強力な解熱剤は日本ではいまでも使われています。外国では台湾以外ポンタール・ボルタレンも含めてほとんど使わないように指導しています。そしてその後、インフルエンザ脳症はほとんど日本と台湾でしか発症しないのです。
インフルエンザ脳症は解熱剤を使用していなかった患者の死亡率が
25%だったのに対して、アスピリン服用者のそれが 30%、ボルタレンが
52%、ポンタールが 67%とのことです。解熱剤の作用機序はほとんど同じですから、アスピリンがダメでポンタール・ボルタレンが大丈夫ということはまずないので、インフルエンザ脳症もアスピリン以外の解熱剤を使わないように厚生省は指導すべきでしたが、そうしませんでした。つまりいつもの厚生省御得意の薬害というやつですね。
アスピリンだけだめなんだなと浅知恵でアスピリンを禁止した厚生省は、それでもインフルエンザ脳症が日本で多発するので、薬害であると非難されることを恐れてある悪事をはたらいたと近藤氏は指摘します・・・ うーん、厚生省は相変わらず(悪い意味で、いや悪い方向で)首尾一貫しているなぁ。
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