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◆読書
「成人病の真実」(近藤誠;文春文庫)の続き
次の第八章では抗がん剤の話。鳴り物入りで登場したタキソールに臨床評価上のえこひいきがあったと近藤氏は指摘します。
みんな効くと思って実験すると、効いたという結果が出た施設は深く考えずにうれしくて世界に報告しますが、効かなかった施設はもう一度やり直すので報告できません。多施設でやるとある一定の確率でおかしな結果が出る施設が出ます。そういうところだけ報告して、まともな結果が出た施設は報告しないと、なんと間違った説がどうどうと「定説」になってしまうのです。医学ではよくあることですね。 抗がん剤に限らず、遺伝子治療もベクタに使ったアデノウィルスがもとで亡くなる方がでてから泣かず飛ばずですね。原理的に優れていると思い込んでいる学者たちはなかなかあきらめ切れないようで、同じくあきらめきれない患者さんを使って、現在もいっしょうけんめい人体実験をしてられるようです。近藤氏はもうやめたらというご意見のようですが、私は宝くじと同じだと思います。くじも買わないとあたりませんし、遺伝子治療も受けてみないと効くことはないんですよね。当たったら大きいし、効けば万々歳ですから、患者さんが買いたい場合はどんどん買えばいいんですよね。近藤氏は「当たりの入ってないくじを買っても意味ない」とおっしゃるでしょうが。
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