04.12.26（日）　

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◆読書

　「蕭何(しょうか).」（加野厚志；ＰＨＰ文庫）

　漢の劉邦に天下を取らせた張本人、言うなれば世紀の大プロデューサーである蕭何の小説です。諸葛孔明のような実力以上の人気はありませんが、私は非常に評価しています。あの時代では張良や韓信も好きですが、蕭何にはかないません。彼の唯一の過ちは劉邦を担いだことでしょうが。彼が兵站をしっかりしき、占領地で略奪しなかったことが劉邦に天下をとらせた、つまりは現在の漢民族のほとんどが自負心を持てるようにしたのですね。
　しかし、この本で語られる項羽と范増の醜いこと。これほど憎々しげに書いてある本はほかにはないと思います。項羽が包囲されて四方から攻撃され、翻弄されるたびに兵站を軽んじてきたことのつけが思い知らされるというのも、この本で初めて気づかされました。いくら強くてもあまりに腹が減っては戦はできないのですね。