05.11.26(土) 

 


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    ◆読書

    運命 二人の皇帝 (講談社文庫)

    運命 二人の皇帝 (講談社文庫)
    田中 芳樹 幸田 露伴

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     「運命 二人の皇帝」(田中芳樹;講談社文庫)

     幸田露伴の原作を我らが芳樹はんが少年向けにリライトしたもの。
     二人の皇帝とは明の二代皇帝建文帝と三代皇帝永楽帝のことです。初代の洪武帝(朱元璋)の孫と四男という関係で、甥と叔父どうしですが、戦って永楽帝が勝利したのですね。
     朱元璋は大功ある諸将を大量粛正したので有名です(前漢の劉邦より大量)が、建文帝の側近もそれにならって王族(朱元璋の息子たち)を危険と見て平和なうちに粛正しようとしたのです。建文帝自体は気弱で優しい人だったようですが。
     やむなく永楽帝が兵を起こし、10倍以上の兵力差でしたが、力づくで相手を倒してついに帝位についたのです。いやいややらざるを得なかったという点で、随の煬帝、唐の太宗とは違いますね。しかもいやいや帝位についたが、その後も名君ぶりを発揮するのです。あの鄭和も活躍します。自ら帝位につく戦いを起こし、なおかつ守政にも優れるとなると皇帝としては完璧ですね。私の大好きな後漢の光武帝よりもこの点は上です。
     建文帝は帝位を追われ、命からがら王宮を脱出。その後僧侶に身を隠し、各地を逃亡する生活に。結構楽しんでいたようにこの本では書かれています。その間に永楽帝が死に、皇帝が3人変わって6代目の正統帝の時代に見い出されて王宮で隠居生活をすることが許されたとか。帝位を失ってから38年後のこと。うーん、人生いろいろ、哀愁しみじみ。少年だけに読ませるにはもったいないいい話ですね。



 


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