06.11.25(土) 


     24万 8500ヒット! どうもありがとうございます。

      ◆得手に帆をあげる(2)

       1日に20件しか所見をつけていないドクターと100件所見をつけているドクターでは単純に5倍ほどの経験の蓄積差が生じます。

       大学で専門分野しか所見をつけていない読影医などはとても件数は少ないですが、その分野(あるいは疾患)に限っては他人に対し優位に立てます。でも他の分野では圧倒的に劣るわけです。

      「私は胸部と腹部と頸部と骨軟部と脳神経と泌尿生殖器分野は専門外です!」

       こういうことは彼または彼女の生きる場所を狭く限定することを示します。

       先ほど5倍と書きましたが、ひょっとしたら5倍以上かもしれません。20件程度だとあまり経験しない病気に対してはどうしても忘却作用が働くからです。
       エビングハウスを持ち出すまでもなく、人間の頭脳の最も重要な働きは忘却です。これに逆らうには思い出す頻度を上げるしかありません。
       ただ、頻度の少ないまれな病気をしっかりおぼえて、短時間で高精度な所見が作成できるようにするには1回1回の出会いを大切にする(たえず心の中で反復するなど)も大事です。

       ほかのドクターの5倍以上の読影をこなせば実質の経験年数にしても5倍近い差異が生じるのではないでしょうか。卒後5年くらいの若い人でも人より濃密な5年を加えれば、卒後10年になった時点でかなりの実力差になるかもしれません(30年め?)。
       失うものもありますが、長い目で見ればかなり有効なキャリアの築き方であることは間違いないでしょう。


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