07.06.06（水）

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◆リッピング ripping

　音楽CDをハードディスクなどに取り込むことをリッピングと言っています。

 

	物理メディア	フォーマット	信号	エラー訂正
CDを民生機で再生	プラスティック円板	CD-DA	オーディオストリーム	CIRC
HDDにイメージを作成	ハードディスク	CD-DA	オーディオストリーム	CIRC
HDDにwavを作成	ハードディスク	OS のファイルシステム	一般のバイナリファイル	ハードディスク＆OSのエラー訂正

 

　音楽CDの素材はポリカーボネイトというプラスティックです。ソリや偏心があります。ソリがあるためにレーザーピックアップはレーザーを絶えず記録面上にフォーカスさせるためのサーボが必要です。このため余計な電圧変動が生じます。
　ハードディスクはガラスやアルミの円板を使っており、はるかに平坦で、ソリは無視できます。ジャンボジェットが地表スレスレに飛ぶことに例えられるように、真っ平らの平面の上を流体力学的に安定浮上した磁気ヘッドが非接触でデータを正確に読みとっていきます。つまりフォーカスは不要。偏心も少ないのでジッターなどもCDなど光学ドライブの1/10以下らしいです。

　CD-DA という古典的なCDフォーマットの一番の問題はエラー訂正がいい加減なことです。リアルタイム再生のため、正確に読み出せるようにどれだけ時間をかけてもいいというわけではないからです。昔のPCのCDドライブでイメージファイルを抜き出すと、毎回結果が違ったものでした。要するに毎回読み出し結果が変わっている可能性があるのです。レーザーピックアップの寿命や再生した音によるドライブの振動なども関わっているでしょう。

　表にあるようにリッピングにはHDDにイメージファイル（音楽CDの構造まで忠実にコピー）を作成する方法と、PC用の音楽ファイル（wav に代表される；非可逆圧縮の mp3 や wma、aac などもある）に返還する方法があります。

　あの〜、CDをパソコンに入れてそのままプレーヤーソフトで再生すると「CDを民生機で再生」するのと同じです。音は悪いですよ。これはリッピングとは言いません。

　HDD（ハードディスク）にイメージファイルを作成しても、フォーマットは CD-DA という古典的なものですから、エラー訂正は不十分ですし、あまり音質的なメリットはないです。レーザーピックアップで偏心やソリの多いポリカーボネートの音楽CDを直接読むのよりは、磁気ヘッドでソリのほとんどないハードディスクを読む方がはるかに正確に読めますので、そのくらいのメリットということです。

　HDDに音楽ファイルを作成するとCIRCというCD-DA宿命のいい加減なエラー訂正のくびきがはずれます。何時間かけても正しい読みとりができるまでトライを繰り返す優秀なプログラムと最新のCD-Rドライブを使えば最も正確な音楽データが得られます。しかもハードディスク上に作成したものは不変ですから再生する音楽は常に同一で正確です。

　ま、音が正確だから音がいいとは限りませんが。