08.04.15(火)


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      ◆読書

       「永遠の旅行者」(橘玲;幻冬舎)

       「ゴミ投資家シリーズ」で有名な橘氏の小説。

       永遠の旅行者というのはすでに一般名詞となっていますが、どこの国にも属さず、どこの国にも課税されない人を指します。

       ストーリーは元弁護士で現「永遠の旅行者」である真鍋恭一のもとに、見知らぬ老人から不可解な依頼の手紙が届くところから始まります。その依頼とは「20億円の資産の全てを息子にではなく16歳の孫娘に相続させたい。ただし、日本国に1円も税金を納めることなく」というもの。
       ここからいろいろな人間が絡み合って複雑な物語が進行します。
       主人公の披露するいろんな節税/脱税スキームが楽しいです。
       シベリア抑留問題も出てきますが、ソビエトの暴挙に日本政府がお墨付きを与えていた(北の国の拉致問題など吹き飛んでしまうほどのスケール)とか、どうしようもないハナシも出てきます。
       見知らぬ老人は税を払うくらいなら金を焼き捨てろとも言います。そうとう日本国に恨みを抱いているのでしょう。

       実際の我々日本人の多くも死ぬときはきっと日本国を恨んで死ぬのでしょうね。


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