1隻の奴隷船がありました。船長は奴隷上がり。今日も奴隷と奴隷商人を乗せて海原を走っています。奴隷はせっせと櫂をこいでいます。
船長は奴隷に同情的に見えましたが、実は奴隷に与える食糧の半分を横流しして船倉にため込んでいました。
それがばれて奴隷は不満を覚えました。奴隷頭と相談して、船長と奴隷商人をぶっ殺して船を乗っ取ろうかとも考えましたが、奴隷頭は島影が見えたらみんなで鎖を切って海に飛び込もうと言いました。
ある夜、たくさんの水音がしましたが、たらふく食って寝ていた船長と商人は気づきませんでした。
次の朝、船は空っぽ。漂流の開始です。
奴隷たちは全員島に泳ぎ着き、一生楽しく暮らしました。
船長と商人は相手を殺して肉を食らおうと、3日3晩戦い、どちらも死んでしまいました。正確には片方は刺されたひょうしに海に落ちてサメのエサになり、もう片方は餓死したのです。