「古代史 封印された謎を解く」(関裕二;PHP)
第3章は聖徳太子、蘇我入鹿、中臣鎌足について。
記紀には蘇我入鹿は大悪人のように書かれていますが、実は立派な人物であったとの立場に著者はたっておられます。たしか井沢さんの「逆説の日本史」でも同じ意見でしたね。結局最大の利益を得た藤原氏の陰謀ということでしょう。
聖徳太子はそもそも実在したのか怪しむ人もいますし、蘇我入鹿と同一人物だという人もいて、なかなかおもしろい人物ですが、著者はこの本では聖徳太子は暗殺されたのだろうとしています。
有名な梅原説と似ていますが、梅原説に対してはいくつかの疑問を挙げられています。
山背大兄王暗殺の黒幕も鎌足だろうと推測しています。
で、じつは鎌足は百済皇子の豊璋、その人だろうという結論。
ということは天皇家も藤原氏も半島の出自ということですね。当時の日本と当時の半島を比べると分化の程度は段違いでしょうから、当然ということでしょうか。NHK
の特集(賛否ありますが)を見ていると最近の学会でもそんな感じになってきているようですね。
まあ、今の日本人で純血アイヌなど一部の方々を除くと、半島からやって来た祖先を持たない人はまずいないでしょうから。
そもそもアイヌの方々にしても日本が大陸と繋がっていたときに来たとすれば大陸出身ということになります(船で来ても同じ)。
もっと時代をさかのぼれば人類はみな東アフリカから来たわけですから、小さな問題と言えばそう言えますね。