09.12.26（土）　

　30万 2700ヒット！　どうもありがとうございます。

◆読書

　「「スーパー名医」が医療を壊す」（村田幸生：祥伝社新書）

　題名は「？」ですが、内容はすばらしい名著です。

　１章ごとに荒唐無稽な医療ドラマを取り上げて、その問題点を深く掘り下げています。

　私はばかばかしくてこのようなドラマを見ないのですが、筆者はその背景までえぐり出しています。

　たとえば第１章は「白い巨塔」。
　里見助教授がいかにヘンなヤツかは私も感じていました。どう見ても里見は嫉妬に狂ってライバルの足をすくおうと画策して、失敗し大学を追われるようになったとしか読めません。そのあたりは著者が懇切丁寧に解説しておられます。
　財前はひどいヤツのように小説では書かれていますが、執刀医として手術には成功したわけですし、術後管理は普通主治医の責任でしょう。
　術後一度も患者の容体を見に来なかったので裁判に負けるわけですが、これは大学あるいは大病院の分業化されたシステム医療では普通に行われていることですしね。学会が忙しくてそんなことはしょっちゅう、という外科医も多いでしょう。
　そう言われればたしかに山崎豊子もヘンだわ。