「胡蝶の陣」(陳 舜臣;徳間文庫)
陳先生の小説もなかなか久しぶりです。
この短編集の表題作の「胡蝶の陣」は倭寇への復讐劇ですが、最後のどんでん返しが秀逸。
「パミールを越えて」は唐代の名将高仙芝が主人公の物語。この人が高句麗出身なのは知っていました(田中芳樹さんの本で)が、そこを物語の核にして展開されています。
「シンカンの若者」も昔の台湾の風俗がエキゾチックで面白かったです。しかし、オランダ人は汚いですね。
「落日孤雲」ではモンゴル人の凶悪さが心に残りました。それにしても人を食うとは。
ということで、なかなか楽しめた1冊でした。