99.11.27(土)

 


 

加賀百万石 (講談社文庫)

加賀百万石 (講談社文庫)
津本 陽

覇王の夢 (幻冬舎文庫) 椿と花水木―万次郎の生涯〈上〉 (幻冬舎文庫) 椿と花水木―万次郎の生涯〈下〉 (幻冬舎文庫) 下天は夢か(四) (講談社文庫) 下天は夢か(三) (講談社文庫)
by
G-Tools

 

 津本陽さんの「加賀百万石」(講談社文庫)を読みました。

 前田利家・利長・利常の三代の話ですが、ほとんど利家が死んでからのことが題材になっています。主役は利長で利家の長子ですが、夫人が信長の娘であったことと子供がいなかったこともあり、徳川の世になって末弟の利常に家督を譲ります。その前に母のおまつ(利家夫人;芳春院)を江戸に人質に差しだし、その代わりに利常に秀忠の娘(家康の孫)の珠姫を娶せて、加賀前田家の基盤を磐石にしたわけです。利家の息子にしては惰弱なようですが、若かりし時は旅先で本能寺の変に出会ったとき、わずか数人の供回りを連れて明智光秀討伐に向かおうとしたくらい豪気の人であったと他の本には書いてありましたし、以前から結構好きな人物ではあります。あと、私の大好きな前田慶次利太もおまけのようながらひょっこり出てきます。

 利長は隠居後、高岡に城を建てたのですが(当時身を寄せていた高山南坊ことジュスト右近が築城)、幕府の一国一城の制度のためわずか5年で廃城になったそうです。もったいない。利長は梅毒で亡くなったそうです。当時は不治の病でありました。

 利常はこの本ではやや影が薄いですが、秀忠の女婿として徳川に忠誠を誓い、松平の姓をもらっています。父利家、兄利長が羽柴姓をもらったことを考えると、なにか感慨深いものがあります。時代の流れでしょうが、ちょっと軽薄ですかね。でもこのため11代(でしたっけ)も加賀前田家が続いたわけで、今の金沢の繁栄ぶりを見るとやはり必要な処置であったわけですね。しかし、徳川家康ってつくづく嫌なやつだわ。


 


ホームページへ

 

パソコン日記