医学(?)用語辞典

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 このコーナーでは日本語の医学文献でよ〜く見かける誤字・誤用に対する注意を喚起します。かな漢字変換辞書に登録するための医学用語は別のところにあります。
 「医者は日本語も知らんくせに変な英語とドイツ語をあやつりよる。あれじゃドイツ語じゃなくて正真正銘の独語や」と言われないように注意しましょう。

・「著明」と「著名」
 これはよく間違えます。「著明」と使うべきところを「著名」と間違えるのは、一太郎とかいう、変だが著名なワープロを使っている人に著明に多いです。一太郎付属のかな漢字変換(ATOK)では「ちょめい」を変換すると、デフォルトでは「著名」が先に出て来るので、そのまま考えずに打ってしまうわけですね。ちなみに一太郎が変なわけがよくわからない人は他のワープロを一度使ってみること。いかに人生のムダ使いをしていたかがよくわかります。
・「〜状」と「〜上」
 たとえば「線状」と「線上」。「線上に並ぶ」とか書いてあると、本当に線が実在しているのかと思いますが、実は「線状に並」んでいるだけだったりします。
・「進展」と「伸展」
 病気の進行についてですが、空間的に広がるのは「伸展」で、病期が進むのは「進展」でしょう。でも炎症や癌のように病期が進むと空間的にも広がることが多いものは「進展」でも「伸展」でもどちらでもいい場合がありましょうなむ。
・「○歳代」と「○歳台」
 患者の年齢について20歳代とかいう場合ですが、広辞苑によるとどちらでもいいようです。
・「集簇」と「集蔟」
 どちらも読みは「シュウゾク」ですが、「簇」は本来は「ソク」と「ソウ」、「蔟」は「ソウ」と読みます。「ゾク」は両者ともに慣用読みです。で使い分けですが、「族」自体に「集まる」の意味があり、カンムリがタケでもクサでもどちらでもいいようです。
・「線条体」と「線状体」
 これははっきりしてます。「線状体」は誤りです。普通のワープロでは「線条体」は辞書登録されていないので、「線状」と「体」と別々に変換されるのを黙認してしまうのが原因と思います。
・「話」と「話し」
 これもはっきりしてます。名詞の場合は「話」で「話し」は誤りです。「話し」は動詞「話(ハナ:五段活用)」に活用語尾「し」が着いたものです。で、そんな「話し」はやめなさい!! そうそう、そういう「話」ならいいのよん。
・「重症」と「重傷」 「内蔵」と「内臓」 「以前」と「依然」 「意外」と「以外」
 医学用語とは言えませんが、こんなの間違えると恥ですよね。でもときどき見かけます。