びわこMRIワークショップ第一回例会参加記録
一世話人の雑感


 当日は太平洋上を通過する台風の影響もあり、かなり危ない天気でしたが、たくさんの方の御来場をいただきほっといたしました。場所は滋賀県の大津市の東隣りに位置する草津市の中心部、しかもJR草津駅のちょうど斜向かいといった交通の便のいいところであり、それが幸いしたのかもしれません。それとも比較的暇なことが多い、火曜日というのがよかったのでしょうか。
 さて世話人会が例のごとく遅れ、開会時間は6時半をかなりまわってしまいましたが、2時間あまりで6例の貴重な症例を供覧できました。予定より症例数はだいぶ少ないですが、これは私の拙い司会のせいです。ただ、一例ごとにじっくり時間をとったため、思いのほか深みのある討論になったように思います。
 今回は特にテーマを決めていませんでした。そのためMRIのみしか出さなかったところも、CTやRIの写真まで出していただいたところもありました。基本的にはMRIの読影を勉強する会なのですが、MRIのみで診断できる症例というとかなり限られてしまいますし、他の画像、特に同じ断層画像であるCTとの比較は理解を容易にし、記憶を堅固にするのに役立つのでやはり積極的に奨励すべきでありましょう。
 ちなみに筆者の施設からは単純MRIのみを提示し、これだけで異常を読み取れるかどうかという点に重点を置いた問題提起の方法をとりました。しかし、圧倒的に多かったのは他のモダリティの画像もいっしょに読影するといった「研究会ではごく普通の」形式でした。今回は症例のプレゼンテーションの方式はもちろん疾患の種類なども出題者の自由にしましたが、これを一定の形式にまとめるかどうかは今後の懸案事項の一つでしょう。

とにかくこの会は
 
・形式にとらわれない自由な雰囲気の会にする(自由闊達=談論風発?)
 ・症例検討など実戦にそくしたプログラムにする(講演は眠い!?)
 ・例会で検討し尽くせなかった場合はインターネット上で続けて討論する(予定)
などの基本路線を敷いているだけで、他の詳細事項はほとんど未確定です。私個人としては大学での気の合った仲間とやっていたカンファレンス(大学を離れてかなり経ってしまい、それだけに余計に懐かしいのでしょうが)のようなものをオープンな環境でやってみたいと思っていますし、インターネットの医学的活用の利点を少しでも多くの人に知らしめたいのです。
 私がインターネットに一番期待するのは知識の共有です。知識は共有しないといずれ忘れます。共有すれば知識が新しい知識を呼び、より正確になりますます有益なものになるでしょう。インターネットでなくとも知識の共有はできますが、大量の知識を安価に即時的に伝達できるのはこれしかないと思います。しかも、1対1、1対多、多対多のコミュニケーションがほぼリアルタイムに可能(多対1の場合はネットワーク上のイジメみたいな恐い状況しか思いつきませんが)であることは他のメディアにはない特長ですね。

 ともあれ盛況のうちに第一回の例会を終われたことに安堵しています。次回の例会もよろしくお盛りたてくださるようお願いします。それから御意見・要望などございましたら、どしどし事務局のほうにお伝えください。お待ちしております。

文責:事務局(大津市民病院放射線科) 岩崎


HPへ 当日配った文書の内容

最終更新日 96.11.14