redundant nerve roots sign


redundant nerves sign

T2強調矢状断像である。L3 前方辷りに伴う
馬尾の圧迫があり、その上方のレベルで
硬膜嚢内に蛇行した馬尾神経が見られる
(黄色矢印)。


【解説】

 redundant nerves あるいは redundant nerve roots は弛緩して蛇行した馬尾神経をさす。redundant nerve roots syndrome とも呼ばれるが、症候群というよりは画像的現象である。

 脊柱管狭窄の際に見られ、この上部あるいは下部あるいは両方に馬尾の強い圧迫があることを示すサインである。狭窄部の上方に見られる場合が多いが、下方にも見られることがあり、硬膜嚢に余裕のある部位に見られやすい。

 完全なブロック例や長い範囲で脊柱管が一様に狭い例では発生しない。部分的な強い狭窄と弛緩・絞扼のくり返しが発生要因である。

 実際 root は延長し、伝導速度も遅延している。

 ただし、馬尾の圧迫を有しない redundant nerves のみの所見は脊椎の弯曲の高じた正常老人にも見られるので、馬尾の圧迫が疑われないようなものは臨床上無意味である。画像上圧迫が疑われても臨床症状がない場合も有意にとらない方がよい。

 redundant nerves と鑑別すべきは plexiform neurofibroma と 肥厚性間質性神経炎(Dejerine-Sottas syndrome)である。


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