画像診断医?
- ■画像診断医という仕事
100年ほど前にレントゲン博士がX線を発見したくれたおかげで、放射線科医という職業ができたわけですが、最近は博士に操をたててX線だけを扱うばかりでは食ってはいけず、超音波・MRI・核医学などX線を使わないものも含めて画像一般を対象にした医師が育成されるようになってきました。
もちろんこれらのモダリティ全部を完璧に読影できるスーパードクターはあまり多くはありません。これらのうちいくつかのモダリティしか精通していない人が大半でしょうし、最近は臓器別に専門化されている場合も多いです。アメリカでは少し大きな公立病院でさえも胸部単純写真しか読まない放射線科医が複数いたり(5人もいることがあります!)しますし、日本の大学病院には腹部のCTしか読まないスタッフもときどきおられます。常勤がいても1人か2人のことが多い日本の一般病院の状況を考えるとため息がでます。
愚痴はさておき、画像診断医はこれらの画像から
・異常所見があるのか
・異常所見は病的か
・病的所見の程度、範囲はどうか
・病的所見はどんな病態に基づくものか
・その病態はどのような疾患によってもたらされたものか
・いくつかの疾患が考えられ一つに絞りきれない場合、次にどのような検査に進むべきか
・疾患が絞りきれた場合、どのように治療したら最も有効か
などの情報を主治医に報告するのが務めなのです。