2017/08/15(火)『遠隔画像診断起業への道』 No.6

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いつもありがとうございます。
遠隔画像診断医師事業組合テラークの岩崎康です。
 宛てにお送りいたしております。

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前回は業務内容の話をしましたが、今回は使用するシステムの面から話をしてみようと思います。

オンプレミス型とクラウド型

遠隔画像診断システムにはオンプレミス型とクラウド型という分類があります。

実際はその混合型もあり、実装はオンプレミス型なのに読影医から見た場合はクラウド型に見えるなど、見る立場によって異なる場合があります。

■オンプレミス型

オンプレミス型は従来からある方法で、サーバーを読影会社に置いて病院からデータを送ってもらい、読影会社内で勤務医が読影したり、会社外から読影医がネットワーク越しに読影したりするものです。

この変則タイプで、病院側にサーバーを置いて読影医はネットワーク越しに読影するものもあります。これは院外にデータが出せない場合や病院が主体となって読影医を労働資源としてもコントロールしたい場合などに使われます。院内の読影システムの端末を遠隔対応にしたり、遠隔画像診断用のサーバーを新たに立てて院内のシステムとデータ連携をしたりすることで実現できます。

■クラウド型

クラウド型はサーバーをクラウド上に置くものが主流ですが、サーバーの実態はどこかのデータセンター上にあるわけです。読影会社や病院にも置かず第三者が運営しているという意味で使われる場合と、実際は読影会社や病院が管理運営している場合があります。

端末からの違い

読影医の使う端末に読影ソフト(レポーティングシステム)をあらかじめインストールするかしないかでも分類ができそうです。

端末に読影ソフトをインストールしておくものは従来からあり、「古典型」と言えましょう。

インストールしておかないものは、使うときにのみソフトがセッティングされるのです。最近は Java でサーバーからソフトを配信するもの、サーバー上の仮想環境を操作するものなどが主流です。

古典型では専用の読影コンソールを自宅に置くことが多いので、設置スペースやネット環境などの問題が生じる場合があります。費用もそれなりにかかり、件数をこなしてくれないとモトがとれません。ソフトを更新するのに手間と費用がかかるのが難点です。

Java で配信するものは接続時にサーバー側からソフトを配信するので、ソフトの更新作業はサーバー上のみで完結します。動作速度も最近はパソコンの速度向上により問題なくなっています。

サーバー上の仮想環境を操作するものはソフトも画像データも配信せずに端末からサーバーの読影環境を覗いて操作するだけなので、非力なパソコンでも動作します。コスト的にも最も安上がりになります。普段使いのパソコンを共用できますので、設置スペースの問題も生じません。

古典型の場合、更新するのに手間がかかるのが難点と書きましたが、そのためソフトのバージョンアップはなかなかなされませんし、高額です。細かなバグフィックスもなされないことが多いです。どんなシステムも10年もすれば時代遅れで使えなくなってしまいますが、その場合端末のみでなく、システムや病院側の送受信装置まで総入れ替えになることがあり、へたをすると何千万円あるいはそれ以上の費用が発生します。それに本当の遠隔地(へき地や海外など)で読影をしている場合、端末が壊れた場合すぐに直らないことが多いです。出張修理にも時間と費用がかかります。

Java配信型や仮想環境型は更新はサーバーのみでなされるケースが多く、読影端末側の更新は不要です。端末自体が壊れても別のパソコンで代用できる場合が多いです。それに加えて更新費用も使用料も格安になります。

私のお勧めは

読影医からはクラウド型に見えるものを選んでください。手間と費用が全然違います。運用も外部におまかせできるタイプがいいですね。これで読影に専念できます。

私のところも、遠隔画像診断センターと言いながら置いている機材は端末のみで、サーバー類はありません。全く普通の事務所仕様ですんでいます。ネットワークケーブルの配線工事は追加しましたけど。

自宅も同じで、普通のパソコンが主体です(じつはオンプレミス型の端末も2つありますが、本心は放棄したい^^)。

結論

システムは性能やら好みだけで選んではいけません。

オンプレミス型は避けましょう。のちのち借金を抱えるリスクがあります。

クラウド型のもの特にサーバー上の仮想環境を操作するものを選ぶべきです(いくつかありますが、イーサイトのものが最もお勧め)。

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今後とも何卒よろしくお願いいたします。

2017年2月19日13時39分14秒 日曜日
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発行責任者: 岩崎 康
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