まず理解しなければならないのが、プロバイダという聞きなれない業者のことです。
インターネットは数百万というコンピューターの参加しているネットワークですが、これは原則としてただで利用できます。無料とは言っても、ここに常時繋がっているコンピューターを所有・管理している人は、その分の保守や増設などにかかる費用は自己負担となっています。他人の所有する機器を使わせてもらう代わりに、他人が自分の機器を使用することに関しては料金を請求しないように取り決めているのです。いわばみんなが手持ちの私道を開放しあって、みんなが自由に通れる大きな道路網を造っているようなものです。自分の私道は自分が掃除することも似ていますね。
プロバイダという業者はこのインターネットと一般大衆とを結び付けるものです。プロバイダはインターネットに繋がっているマシンを運用し、その費用を負担しています。そして、インターネットに繋がっているマシンを持っていない一般大衆にその設備を開放しているのです。もちろん慈善事業ではありませんので、使用に見合ったお金を徴収します。無料のものでお金を儲けているという誤解を受けていますが、会員制スポーツクラブが非会員に一時利用を認めているようなもので、有料であっても全然おかしくないのです。というか、プロバイダは互助会的にできたものもありますが、もともと儲けを目的に作られたものが大半ですから。
平成8年末現在、日本国内のプロバイダは1000社を超えているそうで、料金の安いところでは年間1万円未満のところもあります。ただし、プロバイダとの接続にはモデムという機械で普通の電話線を通しますので、NTTに支払う電話代は別にかかります。
「プロバイダなんてものは不純だ」とおっしゃる方は自分でインターネットに接続することです。最近はワークステーションなどの特別なコンピュータを買わなくても普通のパソコンでコンピュータネットワークに繋げられるので、ずいぶん安価になりました。こうした場合はインターネットには24時間繋がっていないといけませんから、専用線をインターネットに繋がっている他のコンピュータとの間に引いてもらいます。なあに、年間にたった50万円〜200万円しかかかりません。え、安くない? でもこれが本来のインターネットの姿なのですよ。え、やっぱりプロバイダに頼む? そうです、高邁な意思を持っていない人は素直にプロバイダに頼るのが一番です。一般の方は
・自宅とプロバイダとの接続料 ---> NTTに支払う
・プロバイダとインターネットとの接続料 ---> プロバイダに支払う
・インターネットに属しているコンピュータ間での接続 ---> 無料(一部有料)
ということになります。最後の「一部有料」ですが、これは情報を有料で提供している業者が一部存在するからです。ただし、知らない間に課金されているようなことはないので御安心を。