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今日はCT(コンピュータ断層撮影)という検査法の話。 私が医者になった最初の年に、世界最高CT機器として君臨していたのが、GE製の
CT-8800 でした。売価で2億5千万円くらいしたと思います。9.6秒で1スキャン(カメラに例えれば露出時間が9.6秒ということ)を行い、これから1枚のCT画像が作られて表示されるまで約40秒かかりました。CT画像をつくるプロセスを画像再構成と呼び、この速度はコンピュータの性能に比例します。 最近の機種では1スキャンに 0.8秒程度しかかからないものも多く(最近発表されたものでは0.25秒とか)、スキャン終了の 0.5〜4秒後には画像は再構成され、すぐに表示されます。検査時間も患者の脱衣などの時間も含めて当時の約1/4に短縮されています。これはMRIでも同様であり、精細で美麗でしかもより多くの断層像が短時間で産み出されてきます。 しかし、我々読影者の頭の回転は日に日に鈍るばかり。速くなる道理はありません。 以前でしたら、検査数も多くなく、かつ患者と相対する必要のないCTやMRIなどのフィルムの読影は、午前午後のほとんどを占める他の検査(血管造影や胃透視など)が終わってから取りかかることがほとんどでした。 まあ、これからはこちらの能率よりも患者の満足度を優先させなくてはいけない時代になってくるでしょうから、今のところは顔で笑って心で泣いてでも対応していくつもりです。 しかし、こうした状況のもとでもうれしいことが一つあります。それは、今までは仕事が終わってから山のように溜まったフィルムをかたづけなくてはいけませんでしたので気分的にも疲れておりましたが、最近では仕事が終わるときに残っているフィルムが少ないものですから、早く帰れるようになったことです。 「それって仕事量が同じなら早く帰れるのはおかしい。今までダラダラとやっていたからじゃないか」ですって? |
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