WWWの医学的活用



WWWを忘れた方はこちら

 WWWの最高の利点は文章のみならず画像を簡単に配布できることです。オンライン教科書やティーチングファイル、疾患データベースなどが多く公開されており、非常に勉強になります。日本放射線学会では学会に参加した人にCD−ROMを配ったりしており、昔は専用のソフトでしかその中の画像が見られないことが多かったのですが、最近はWWWの形式になっているので誰でもパソコンさえあればインターネット用のブラウザで簡単に読めるようになっています。そのうち、学会誌がオンラインのみ(WWWマガジン)になる学会も出て来るのではないかと思います。

 医学文献検索もあの有名なMEDLINEがWWW上で無料にて使用できます。CD−ROMで配布されているものに比べあまり遜色のない検索速度で、CD−ROMを入れ替える手間も要らないので、筆者などはもっぱらこちらを利用しています。

 さらに面白い試みとしてバーチャルカンファレンスがあります。実際の症例を提示して、それに全世界の人が意見を加えるのです。お互いが顔を合わせなくても、複数の他人の含蓄ある意見が聞けます。また自分の考察についての客観的な論評も得られます。これはプライバシーの関係上、完全にオープン参加になっているところは少ないですが、これから次第に増えてくるものと思われます。

 WWWは病院の宣伝としても利用できます。インターネットで病院の情報を提供することの是非については盛んに討議されてきましたが、現時点(平成8年春に出た厚生省の健康政策局総務課の見解)では、「利用者が自分の意思でホームページを選択し、情報を得る形であれば広告にはあたらない」ということになっています。この見解にそいますと、駅看板や電話帳では御法度になっている医師経歴(博士号取得など含む)・医療設備の説明・病院施設の写真などを掲載しても違反にはなりません。ただ、あまりどぎついものは嫌われますので、曜日別の外来担当医師の一覧、病院への交通機関の紹介、無料健康相談のページなどを掲載する程度のところが多いようです。職員のページとして麗しい看護婦さんのページが大人気を誇っているところもありますが、大半は残念ながら(?)まじめなものが多いようです。

 ちなみに筆者はホームページで画像転送実験をしています。WWWが見られる人なら誰でも簡単に医用画像を受信できます。通常の画像を表示するだけですから。どれくらい実用になるかその速度をお試しください。


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