右側大動脈弓による見るあれ
右側大動脈弓とあれ
よく見る右側大動脈弓ですね。
左鎖骨下動脈は・・・・
右側大動脈弓の後半から出ている、いわゆる「左鎖骨下動脈起始異常を伴う右側大動脈弓」というわけです。
え、それでいいの?
それだけだと後で冷や汗かくよ。
では ヒントです
さらにヒントです(というか答えです)
答え:左鎖骨下動脈起始異常の起始部動脈瘤
右側大動脈弓に合併した左鎖骨下動脈起始異常(Kommerell憩室を伴う)の起始部に動脈瘤が合併したという4連続ジャンプのような症例ですね。
経過観察を指示しておかないと数年後冷や汗をかきますよ。
1 右側大動脈弓
2 右側大動脈弓+左鎖骨下動脈起始異常
3 右側大動脈弓+左鎖骨下動脈起始異常+Kommerell憩室
4 右側大動脈弓+左鎖骨下動脈起始異常+Kommerell憩室+動脈瘤
1、2、3は普通に見ます。
4となると珍しいのです。
動脈瘤など普通の病気が隠れていないか注意してね、ということです。
今回は簡単でしたか?
右側大動脈弓に合併した左鎖骨下動脈起始異常(Kommerell憩室を伴う)は結構多い病態です。
これを見落とすことはないはずですが、正常異型だもーんと安心してスルーして、動脈瘤を見落とすことのないように。
ちっとも珍しくない正常異型のようなものにも厄介な問題が隠れていることがあるということです。
ちょっと補足しますと、胎生期の大動脈弓は左右6対もあるわけで、それの退縮過程の異常が右側大動脈弓などの正常異型や奇形を惹き起こすわけですよね。
これら退縮した部分の断端にあたる部分は 動脈瘤の非常にできやすい部位です。
正常でも正常異型でも これらの部位には注意を払うべきですね。