春秋の名君 (講談社文庫) / 宮城谷昌光
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読書
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春秋の名君 (講談社文庫) 宮城谷 昌光 講談社 1999-09-06 売り上げランキング : 262435 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
★★★☆☆(第1部がもっと長ければ・・・)
第1部は1994年PHP誌連載「春秋の名君」12篇を収録。
第2部は自作の執筆過程などについてのエッセイを集めています。司馬遼太郎と対談してすぐに司馬さんが亡くなったそうです。
第3部は自分が小説家として世に出るまでの過去の思い出を語った随筆を集めたもの。立原正秋との交流も書かれています。
春秋の名君
第1部では鄭の武公と荘公、魯の荘公、斉の桓公、宋の襄公、楚の成王、晋の文公、楚の穆公、楚の荘王、呉の闔閭と夫差、越の句践を取り上げています。
なかなかの有名人ばかりで、取り上げられたエピソードも既知のものばかりです。
著者独特の正確無比な乾いた文体が実に効果的。
おまけ
私が興味を持ったのは、第2部で著者が製作の頼りにしたいとしている史料が、『十八史略』、『史記』、『世説新語』であるとのこと。
史記と十八史略の邦訳はもちろん全訳ではないものの すでに何冊か読んでますが、世説新語?
世説新語は Wikipedia によれば、
中国南北朝の宋の劉義慶が編纂した、後漢末から東晋までの著名人の逸話を集めた小説集。
とのこと。
知らなかった。
ググると何冊か邦訳されていますね。下のものは薄くて入門書としては最適のようです。
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春秋戦国時代よりかなりあとの後漢末から東晋までということですが、三国志と扱う時代が同じで、南北朝の初期も含まれているのでしょう。
三国志ファンとしてはとても面白そうです。
ということで、amazonで早速購入しました。
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