*

「攘夷」と「護憲」―幕末が教えてくれた日本人の大欠陥 / 井沢 元彦

公開日: : 最終更新日:2015/09/03 読書

「攘夷」と「護憲」―幕末が教えてくれた日本人の大欠陥 (徳間文庫) 「攘夷」と「護憲」―幕末が教えてくれた日本人の大欠陥 (徳間文庫)
井沢 元彦
徳間書店 2005-12
売り上げランキング : 87815
Amazonで詳しく見る by G-Tools

★★★★☆

幕末の攘夷論華やかなりし頃の歴史は 尊王攘夷をとっていた立場の幕府や藩がころころ変わって 非常にややこしいですよね。

そもそも 尊王と佐幕を対比させるのが間違いで、本来は 佐幕と討幕が対比されるべきものです。

尊王には対立する言葉はありません(基本的にみんな天皇を敬っているので)。

攘夷に対する概念は開国

つまり幕府以外の藩の取るべき方針には佐幕と討幕攘夷と開国を軸とすれば次の4つ(2×2)があったわけです(みんな尊王であることは共通)。

  • 佐幕攘夷
  • 討幕攘夷
  • 佐幕開国
  • 討幕開国

薩摩や長州は薩英戦争馬関戦争で痛い目にあって、攘夷から開国に路線変更をしました。

幕府はというと しぶしぶ開国してしまいました。

薩摩や長州はこのまま佐幕開国ではいつまでも幕府の配下でいるしかなく、当時の幕府はどうしようもないクズ組織になっていたので、国益のためにも討幕開国 路線を取ることになったというわけ。

薩摩や長州が攘夷をやめたわけ

海に囲まれていた日本では海が防壁となり海外の侵略を防いできましたが、蒸気船の出現によってこの防壁が無力化されてしまいました。

帆船と異なりパワーアップした蒸気船には多数の大砲を積めるようになったからです。

最新式のアームストロング砲は関ヶ原以来の日本の大砲よりも到達距離が長いので、日本の大砲の射程外の沖合からの艦砲攻撃で 薩摩や長州の街は壊滅的被害を受けました。

そこで薩摩や長州は刀や古い大砲では攘夷などとてもできないことが身にしみてわかったのです。

そこで相手の武器を手に入れようと 開国に切り替えたのです。

タイトルの「攘夷」と「護憲」

「攘夷」と「護憲」というタイトルの意味ですが、当時の攘夷論を振りかざす武士は実情を知らずに空論を語っていたわけです。

戦力に圧倒的差異があることを知らないで、反対する立場の人を弾圧しました。

現代の護憲論も同じと著者は言っています。

現実を知らないで、なんの効力もない憲法をとにかく守ろうとします。

この憲法、マッカーサーが日本と米国の両方をだまして作った憲法です。

平和憲法でもなく、単なる自縛変態憲法です。

もし理想的な憲法なら、アメリカの憲法もこの「平和」憲法に近づけるべく努力をするはずですが、そうなっていません。

それどころかだれでも銃が持てるのです。真逆です。

当時のアメリカ政府はマッカーサーの提示したこの憲法の草案を見て、「これはひどい」と言ったそうです。

無理やり日本に押し付けたマッカーサー自身でさえ、のちに自衛隊を作るときにこの憲法が邪魔になったわけですが。

現代のアームストロング砲

ここからはこの本には書いてない私の考察です。

アームストロング砲にあたるのは、現代では大陸間弾道ミサイル長距離巡航ミサイルですね。

日本はこれらに対する武器を持っていません。

ミサイル防衛網(アメリカの5層バージョンのサブセットで2層構造)はありますが、この2種類のミサイルに対しては かなり防御率が落ちます。

一般論として 軍事バランスが崩れたときに戦争が起きます

このバランスを取るために自国の軍事力の増加が必要なことも当然ありえます。

日本は今までは強大国と同盟を組むことによって自国の軍事力増強をする必要がうまく削減されていましたが、相手の力がこちらの同盟の力を超えたので、同盟を強化する(参加国を増やすなど)か 軍事力を増強するか あるいはその両方を行う しかないのです。

そこで、日本も少なくとも長距離巡航ミサイル(最低限北京までの射程を持つ)を持つべきだという人がいます。

もちろん報復専用です。

ミサイル発射などの基地軍事施設、発電所、軍事工場、ダムなどをピンポイントで破壊できる能力を持っています。

これは共産党幹部の自宅やオフィスも狙えるので、すごい抑止力となります。

共産党幹部は他人(敵・味方を問わず)の命など屁とも思っていません。

彼らの思惑は出世して不正蓄財して国を売って海外に逃げることですから、自分や家族の命はなによりも大事なのです。

それが脅かされるとしたら 少なくとも向こうから しかけようとは思わなくなるでしょう。

###

関連記事

なんたってクラシック―ぼくの一方的音楽宣言 / 砂川しげひさ (2)

なんたってクラシック―ぼくの一方的音楽宣言 (朝日文庫) 砂川 しげひさ 朝日新

記事を読む

春秋戦国激闘史 / 来村 多加史

春秋戦国激闘史 春秋戦国激闘史 (学研M文庫) 来村 多加史 学習研究社

記事を読む

ドル崩壊! / 三橋 貴明 渡邉 哲也

ドル崩壊! 三橋 貴明 渡邉 哲也 彩図社 2008-08-22 売り上げラン

記事を読む

なぜ「日本人がブランド価値」なのか―世界の人々が日本に憧れる本当の理由 / 呉善花 (2)

なぜ「日本人がブランド価値」なのか 世界の人々が日本に憧れる

記事を読む

歴史の夜咄 / 司馬 遼太郎、 林屋 辰三郎

歴史の夜咄 (小学館ライブラリー) 司馬 遼太郎 林屋 辰三郎 小学館 19

記事を読む

「10分刻み」ニッチタイム(すきま時間)超勉強法 / 中島孝志

「10分刻み」ニッチタイム(すきま時間)超勉強法 (講談社ニューハードカバー)

記事を読む

5時間でわかる!KOSEI式ネット株 デイトレ&スイング 必勝法 / 石田 高聖

5時間でわかる!KOSEI式ネット株 デイトレ&スイング 必勝法 石田

記事を読む

着物トレーダーを卒業せよ 陳満咲杜の為替の真実 / 陳 満咲杜

着物トレーダーを卒業せよ陳満咲杜の為替の真実 陳 満咲杜 青月社 2008-

記事を読む

なぜあの人は気がきくのか―顧客満足のヒント / 中谷 彰宏

なぜあの人は気がきくのか―顧客満足のヒント 中谷 彰宏 ダイヤモンド社 1998

記事を読む

屁理屈無し 社長のための時間の使い方

* 本屋では買えないダイレクト出版の本。 ダイレクト・レスポンス・マーケティングのグル、

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

【AI】Lilys問題点 PDF出力時の文字化け

Lilys は優秀な要約アプリですが、最終出力を PDF 出力するとき

2026/8/6 びわ湖花火大会

本日は大津港での花火大会。 「琵琶湖花火大会」というと通常はこれを指

浮世絵「名所江戸百景」復刻物語 / 東京伝統木版画工芸協会

★★★☆☆ 著者の東京伝統木版画工芸協会というのは浮世絵を復

封印された中国近現代史 / 宮脇淳子

★★★★☆ 亡き岡田英弘氏の妻である 宮脇淳子先生の著書。

三田市民病院の移転問題について

本日夕方 TV で三田市民病院の移転問題を扱っていました。 初耳

→もっと見る

  • 2026年8月
     12
    3456789
    10111213141516
    17181920212223
    24252627282930
    31  
  • アクセスカウンター
PAGE TOP ↑