日本人だけが知らない「本当の世界史」中世編 / 倉山満
公開日:
:
最終更新日:2022/09/22
読書
以前、「日本人だけが知らない「本当の世界史」古代編 / 倉山満」を紹介しましたが、今回は中世編です。
*
まず最初は菅原道真にスポットをあてています。
菅原道真が世界史にそんな重要なのかと言われるとちょっと困るのですが、当時のチャイナは唐の衰退期でした。
- 遣唐使の利益が減ってきた(学ぶことがなくなってきた)
- 遣唐使の損害は非常に大きかった
ことから、それに「世界史とはユーラシア大陸での殺し合いの歴史」ということを悟ったのか、大陸と断絶して永世中立国(?)になることを決めたのです。
つまり、殺し合いに引き込まれるリスクから日本を守って、平安な世の中を導いたという大功績があるわけです。
スガすがしいミチだね。
*
遣唐使の損害とは海難事故のことです。
当時の遣唐使船は4隻でした。行きで半分、帰りでさらに半分に減ってもギリギリ 1隻帰ってこれる可能性が高いと考えたからです。
優秀な学生(僧侶)や役人の 3/4をわざわざ失っても持ち帰るものが多ければ行く価値はあるのですが、唐も反乱などで弱体化している段階でしたので見切りをつけたのです。
その後、国風文化が芽生えたのはみなさまもご承知の通り。
*
唐もその前の隋も鮮卑族(北狄と蔑まれた騎馬民族の一つ)出身なので、現代のチャイナ人が「昔オレの祖先がお前らの祖先に教えてやった」と言っても、「お前らの祖先と違う」と言いかえせばいいですね。
*
菅原道真が使えた宇多天皇は即位前に臣籍降下して「源定省(みなもとのさだみ)」と名乗ったそう。その後皇族に復帰し即位された珍しいお方です。
その御方が臣籍降下中に生まれた子供も皇族に復帰して、その後即位して醍醐天皇になられたということで、この方は庶民として生まれて天皇になられた、さらに珍しいお方ということになります。
(続く)
###
関連記事
-
-
「震災大不況」にダマされるな! 危機を煽る「経済のウソ」が日本を潰す / 三橋貴明 (1)
「震災大不況」にダマされるな! 危機を煽る「経済のウソ」が日本を潰す 三橋貴明
-
-
相場の壁とレンジで稼ぐFX (ダウ理論を補強する複数時間軸とテクニカル指標の使い方) / 田向宏行
★★★★☆(すばらしい) 今週出たばかりの本です。 オーソドックスなライントレー
-
-
世界史怖くて不思議なお話 / 桐生 操
世界史怖くて不思議なお話 (PHP文庫) 桐生 操 PHP研究所 1999-
-
-
日本は世界1位の金属資源大国 (講談社+α新書) / 平沼 光
日本は世界1位の金属資源大国 (講談社+α新書) 平沼 光 講談社 2011-0
-
-
“脱グローバル化”が日本経済を大復活させる / 三橋 貴明
“脱グローバル化"が日本経済を大復活させる 三橋 貴明 青春出版社 2012
-
-
街道をゆく 18 越前の諸道 (朝日文庫) / 司馬遼太郎
街道をゆく 18 越前の諸道 (朝日文庫) 司馬 遼太郎 朝日新聞出版 2008
-
-
日本人だけが知らない世界から尊敬される日本人 / ケント・ギルバート
★★★☆☆ ケントさんが紹介する日本の偉人達。 アメリカによる War Guil
-
-
統計・確率思考で世の中のカラクリが分かる (光文社新書) / 高橋洋一
統計・確率思考で世の中のカラクリが分かる (光文社新書) 高橋 洋一 光文社 2
-
-
変換辞書のありがたみ・・・クラウドもバックアップを
* ここのところ、イーサイトのシステムが不安定だったので、クラウドシステムの再構築を行ってもら
-
-
若草姫―花輪大八湯守り日記 / 高橋 義夫
若草姫―花輪大八湯守り日記 (中公文庫) 高橋 義夫 中央公論新社 2007






