日本人だけが知らない「本当の世界史」 / 倉山満
公開日:
:
最終更新日:2017/05/27
読書
日本人だけが知らない「本当の世界史」 (PHP文庫) 倉山 満 PHP研究所 2016-04-03 売り上げランキング : 12194 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
★★★★☆
ニヒルな倉山満のシニカルな世界史。
彼のことですから、当然国際法と戦争論が主役となる近世は面白いのですが、古代から中世も非常に血沸き肉躍る面白さ。
たとえば・・・
死刑反対の理由
ヨーロッパの国で死刑を廃止している国が多いが、その理由は死刑よりも残酷。
改心させてからも閉じ込めたまま死ぬまで監獄から出さない。つまり改心させてから殺すわけ。
死刑制度は改心させない相手までも殺してしまうので生ぬるいのだそう。
古代ではヨーロッパは世界の辺境であった
古代4大文明(インダス、エジプト、メソポタミア、中国)はすべて非ヨーロッパ。
ペルシャ戦争、アレキサンダーの東征、ローマの5賢帝の短い時代だけがヨーロッパがアジア(オリエント)を上回っていた瞬間で、あとは完敗。
ローマの滅亡の理由
ローマ帝国が滅亡した原因はキリスト教を国教にしたから。
「すべての知識は聖書にある」という原理主義が重視され、物質文明(建築技術など)を支えていた技術者を重用しなくなったわけ。
西ローマ帝国が蛮族により滅ぼされてから 1000年ほどは文献が少なくてヨーロッパ自体の歴史も よくわからなくなってしまうほどの凋落ぶり。
歴史は時とともに進歩する わけではない
ヨーロッパの歴史は古代はローマにより栄えた(ギリシャは厳密にはヨーロッパには入らない)が、暗黒の中世では地に落ち、ルネッサンスでようやく上向いた。
つまりヨーロッパの歴史は日本史のような「日進月歩」ではなかった。
中国や韓国でも王朝が変わるたびゼロからやり直すよね。
正しい歴史を知っている相手を殺す
「歴史イコール史実」ではなく、歴史は自分の都合のいいように改竄するべきものと思っている民族のほうが多い。
自分に都合の悪い「正しい歴史」を知っている相手はなんとかして滅ぼして、その証拠までも完全に隠滅するのが正しい態度だと思うほうが普通ってこと。
日本の隣にもそのままな国があるので理解できるよね。
関連記事
- 嘘だらけの日米近現代史 (扶桑社新書) / 倉山 満
- 嘘だらけの日中近現代史 / 倉山 満(2)
- 嘘だらけの日中近現代史 / 倉山 満
- 嘘だらけの日韓近現代史 (扶桑社新書) / 倉山 満(2)
- 嘘だらけの日韓近現代史 (扶桑社新書) / 倉山 満
###
関連記事
-
仕事と人生を激変させるなら99.9%アウトプットを先にしなさい / 金川顕教
★★★☆☆ 5章あるうちの最初の2章だけでいいと思います。 ようは日本人はインプ
-
真実の日本戦史 (宝島SUGOI文庫 A い 2-1) / 家村和幸
真実の日本戦史 (宝島SUGOI文庫 A い 2-1) 家村和幸 宝島社 200
-
億万長者はガレージから生まれる / 中谷彰宏
億万長者はガレージから生まれる―一生サラリーマンで終わらない (成美文庫) 中谷
-
没落金持ち1000人に学ぶなぜかお金が逃げる人 大きくたまる人 / 立川 昭吾
没落金持ち1000人に学ぶなぜかお金が逃げる人 大きくたまる人 没落金持ち10
-
戦国大名の四天王烈伝 / 『歴史読本』編集部
戦国大名の四天王烈伝 (新人物往来社文庫) 『歴史読本』編集部 新人物往来社
-
おもしろくてためになる最新 農業の雑学事典 / 藤岡幹恭、小泉貞彦
★★★☆☆ ブックオフで見つけて買いました。 1999年発刊された古い本ですが、
-
斑鳩宮始末記 / 黒岩重吾
斑鳩宮始末記 斑鳩宮始末記 (文春文庫) 黒岩 重吾 by G
-
ジャーナル・スタンダードの男性用腕時計
Mono Max (モノ・マックス) 2013年 07月号 宝島社 2013
-
渡部昇一の思考の方法
渡部昇一の思考の方法 渡部 昇一 by G-Tools
-
趣味は読書。 (ちくま文庫) / 斎藤 美奈子
趣味は読書。 (ちくま文庫) 斎藤 美奈子 筑摩書房 2007-04 売り上げラ