無意味ダーと叫ぶ人
公開日:
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最終更新日:2025/04/29
日記
「ある事故を減らすにはどうしたらいいか」という命題を考えましょう。
たとえばAという方策を考えたら、
「すでにAをしている自治体があるが、事故はそれでも起きている Aは無意味ダー」
と反対意見を述べる人が出ます。
これは一見正しいように思うでしょうが、2つの視点で間違っている可能性があります。
1つめの視点は、Aという方策に 100%の効果を望んでいるとは限らないということです。
現実的には 100%の効果がある対策などありませんし、あるのならデフォルトとしてとっくに導入されているはず。
もう1つの視点は、Aという方策の有効性を調べるのには、Aを行った場合と行わなかった場合(対照;コントロール)とを比べないといけない(他の条件は同じ)ということ。
その自治体でAを行ってなかった時期と行っている時期とを比べないといけないということです。
これは理系の人であれば実験の前提条件なので骨に染み込んでいる常識です。
もし、導入前と導入後で事故件数が 1/10 になっていれば効果は 90%ということになります。
「10%防げていないので無意味ダー」ではなく「90%防ぐという効果がある」です。
で、さらに別の方策を探して、それら複数の方策を同時に行うことで「効果は限りなく 100%」に近づけることを狙うのです。
効果が 90%の方策と効果が 60%の方策を同時に行えば 94%の効果が得られるわけで、さらに 80%の方策も行えば 99,2% になるわけです。
「10%失敗し、40%失敗し、20%失敗するのだからどれも無意味ダー」ではなく、99.2%の効果(たとえば 100件の事故が 1件に減る)があるのです。
「すでにAをしている自治体があるが、事故件数は導入前後で変わらない Aは無意味ダー」という文言なら間違いではないですが。
*
結構「事故はそれでも起きているから無意味ダー」という人が多いのですが、効果がどれくらいか まで数値で検証しないと議論が不毛に終わる可能性があります。
上記のような「理系の考え方」をすればそういう誤謬に陥ることはなくなると思います。
が、政治家や官僚は理系出身者でないことがほとんどなので、彼らの合議で「無意味ダー」で闇に葬られている方策が結構あるんじゃないかとかんぐっている今日このごろ。
まとめ
- 1つの対策が 100%有効とは限らない
- ゆえにその対策がなされていても、無効に見えるときがある(失敗例は存在する)
- しかし、それはその対策が無効なのではなく、対策がなされていないときよりは被害は減少している(そうでなければ実施されていない)
- いくつか有効な対策を組み合わせて効果を増やしていくのが、実用上のリスク管理の基本
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