はるかなる朝 / 星野 之宣
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はるかなる朝 (MF文庫)
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星野之宣の主に初期の作品を集めた作品集。
これは文庫版です。同名の単行本とは収録作品がかなり違っています。
8作が収録されています。
1908年のシベリア・ツングースで起きた大爆発は隕石の落下によるとされていますが、それをメインの題材にアトランティスの滅亡、幼い男女のラブストーリーを絡めて、短編なのに壮大な叙事詩を思わせます。
結婚を決意した若い男女が交通事故を起こし、サイボーグ手術で命をながらえたようだが、二人は逃避行に走る・・・
時空のゆがみに入り込んだ航空機が第2次世界大戦時に行方不明になった原爆搭載機とすれ違う・・・
アマゾン川上流にあるという謎の遺跡を探し求める探検隊が、アマゾネスのような女性たちの襲撃を受けるという話。淡水産の鮫が出てきますが、オオジロザメのことでしょうね。
南極探検でアムンゼンに負け全滅したスコット隊の話。 極点からの帰途にホワイトアウトという不可思議な現象になんども遭遇し、過去と現在を行ったり来たりします。
ロシア革命を題材に当時の帝王ニコライ二世と 6580万年前の帝王ティラノサウルスをからめたちょっと飛んでるお話。
ソビエト連邦初期の話。ごく普通の初老の男が朝いつものように仕事場に向かう。だが、その勤務先は戦場。夕方には必ず戦いが終了し、いつものように家に向かう・・・
デジャビュということなので、毎日同じようなことが繰り返されるということなのでしょう。
「不思議の国のアリス」の星野版。
小さいときに家が火事になり両親は焼死、自分は頭部外科手術を受け、脳梁を切断された主人公アリス。 働いていない大脳半球に残された小さい頃の彼女の人格が脳梁の癒着により蘇り彼女の体をのっとってしまう。 逆に身体の自由を奪われた大人の彼女は不思議の国に入り込み・・・
いかにも星野SF チックですばらしい作品だと思います。
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