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国富新論 / 三橋 貴明

公開日: : 最終更新日:2015/10/27 読書

国富新論 国富新論
三橋 貴明
扶桑社 2013-09-18
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★★★★☆

三橋貴明の本。

グローバリズムがそろそろ限界に達してきた現在、「国富」の意味を基本から考えさせる良書。

グローバリズムは経世済民ではない

日本では economy を経済と訳しましたが、これは経世済民からとったもの。

経世済民とは世を治めて国民を富ませること

したがって 政府が借金をしても国民が富めばそれでOKなんです。

グローバリズムは経済の一形態ですが、日本で発生したものでないためか国民を富ませることには配慮が欠けています。

韓国や中国で異常に進行したグローバリズムは、国民を搾取して政府とつるんだ支配者(国外にいることもあり)が富むのであって、経世済民とは真逆の概念になるのですね。

ユーロ諸国もグローバリズムの魔力にとりつかれて泥沼にズブズブ沈んで行っています。というかユーロ自体がグローバリズムを基本理念にした壮大な妄想なのです。

TPP とレント・シーキングの罠

日本はグローバリズムに乗り遅れたおかげで助かっていますが、グローバリズム信者による TPP とレント・シーキングの罠にはまろうとしています。

TPP はスティグリッツが語っているように国益の問題ではなく、特定集団(超巨大企業つまりハゲタカ)のためだけの貿易協定。

こんなものに国の原則をガタガタにされてはいけないわけです。

レント・シーキングとは、既存の利益構造の中に無理やりわりこんで わけ前を吸い取るアコギなやり方。

典型的なレント・シーキングとしては孫正義の主導する再生可能エネルギー特措法による固定価格買取制度が挙げられています。

一部やや納得のいかないところもありますが、ほとんどの主張はもっともなものです。

自民党の政治家には全員読んでほしいです。

民主党の政治家はどうせ読んでもわからないだろうから どうでもいいですが。

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