里山資本主義
里山資本主義 日本経済は「安心の原理」で動く (角川oneテーマ21) 藻谷 浩介 NHK広島取材班 角川書店 2013-07-10 |
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「里山資本主義」はいわゆる「マネー資本主義」のアンチテーゼとして提唱されたもので、対立概念ではなく、「マネー資本主義」の足りないところを補う形で提唱されたものです。
いくつかの事例で成り立っていますが、
- 里山の木材の利用(材木、廃材などから燃料用チップの製造)
- 休耕田の利用(牛の放牧、飼料作物の栽培、魚の養殖)
- 空き家の利用
- 地域の高齢者の活用(野菜作り、保育園のボランティア教師)
などがキモでしょうか。
これらの取り組みを行っている地方自治体も紹介されており、比較的温暖な気候で、交通の便のいいところでも過疎化に悩んでいる町もあります。
でかい家にタダのような値段で住め、庭の畑で余って腐らせるほど食物を栽培し、ほとんどお金のいらない豊かな暮らしができるので、退職された人や仕事がなくて困っている人などには都会からどんどん移っていただきたいです。
田舎の問題は仕事がないことだとよく言われますが、地場産業振興のためのヒントも書いてあります。
この本にはないですが、芋を作って電気を作って電力会社に売るプラントなどもすぐにできそうです。
最近の林業もずいぶんハイテク化されており、ロープを張って麓まで安全に木材をおろすことも普及しており、危険度は緩和されています。
平地での魚の養殖なども面白いのではないでしょうか。この本では水田でのホンモロコの養殖事例が載っています。ブラジルでは日系人による市内でのピラルクー養殖が順調ですし、山の中の高圧タンク室でのフグ栽培なども日本ではなされていますし。
魚と合鴨なんかを組み合わせた米作りなんかも面白そう。
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私自身は適度に田舎な滋賀県大津市のはずれに住んでいるので抵抗感はないですが、東京に住んでいる人はすごい抵抗感があるかもしれません。
都会に住んで、生きていくためのお金を稼ぐために、貴重な人生を浪費しているのはもったいないという見方もあるのだと気づいていただければいいのですが。
生活に疲れたとか生活が苦しいとか言っていないで、見方を少し変えるだけで、豊かな暮らしが送れるところが日本にはすでにいっぱいできています。
以前紹介した徳島県の神山町なども光ファイバーを備えた民家が安価で買え、川や山、畑(ゆず、野菜、キノコ)、温泉まで常備しています。夜もインターネットさえあれば寂しくない人にはうってつけかも。
山の木や植えたイモから発電して現金収入を得ることはどこにいても可能なので、早くそういうライフスタイルを送れるような体制(最低限 こそこの火力発電機+電力会社に電気を売る事業組合)を田舎が整えれば、この国はさらに成熟したステージに上がれそうです。
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