ある甲状腺疾患の話
公開日:
:
医療
医師になって放射線科の医局に入って、1年めは大学病院で研修しました。
2年めからは放射線科のある病院に赴任できず、放射線科のない病院に内科医として赴任しました。
結局 3年ほど内科医をやるはめに。
*
そのときの話です。
内科のカンファレンスで 主治医が胸部レントゲンを示し、
「先ほど救急に来た患者で意識がありません。太っていて臥位で撮ったのでこんな写真です」
写真を見ると確かに太った人で、X線の通りが悪くコントラスト不良で、肺野の情報もなかなか読み取れません。
みんな悩んでいましたが、私は気管が長い範囲にわたってスムースに狭小化していることに気がつき、
「甲状腺腫大がありそうです。甲状腺機能低下(粘液水腫)による意識障害あるいは甲状腺クリーゼではないでしょうか」
と言ったら 主治医はすぐに血液検査を追加し、甲状腺機能低下による意識障害と判明しました。
ずいぶん感謝されましたが、放射線科医では気管、気管支は必ずチェックするので自分では当たり前かなと思ってました。
まあ、内科の先生は気管、気管支、前縦隔線、後縦隔線、食道奇静脈陥凹なんて見てないのではないかと思いますが。
*
肺野が読めない写真でも正解にたどり着くことはあるという事例でした。
それからは胸部写真で、肺以外の疾患(肝硬変、前立腺癌など)をあてることが上手になりました。^^
###
関連記事
-
-
画像診断管理加算2の悲劇
以前聞いた話ですが、とある都市の公立病院で常勤の放射線科医を1人雇っていました。 病院はこれを
-
-
メディカルITコンサルティング(株)のこと
20年以上前に知人たちと起こした遠隔画像診断会社のメディカルITコンサルティング社ですが、10年以上
-
-
医者しか知らない危険な話 / 中原英臣 富家孝
医者しか知らない危険な話 (文春文庫PLUS) 中原 英臣 富家 孝 文藝春
-
-
同門会または医局の同窓会
以前も書いたような・・・ 大学の医学部には医局という組織があることはみなさんご存じですね。
-
-
シロートをバカにするな!
クラシック音楽にて たしか 砂川しげひさ さんの本ででしたが、学生オケや市民オケで楽器を担当し
-
-
画像管理加算2の功罪について
画像管理加算は画像診断医の給料? 画像管理加算1は常勤の画像診断医を雇ったご褒美のようなもので






