*

ある甲状腺疾患の話

公開日: : 医療

医師になって放射線科の医局に入って、1年めは大学病院で研修しました。
2年めからは放射線科のある病院に赴任できず、放射線科のない病院に内科医として赴任しました。
結局 3年ほど内科医をやるはめに。

そのときの話です。
内科のカンファレンスで 主治医が胸部レントゲンを示し、

「先ほど救急に来た患者で意識がありません。太っていて臥位で撮ったのでこんな写真です」

写真を見ると確かに太った人で、X線の通りが悪くコントラスト不良で、肺野の情報もなかなか読み取れません。

みんな悩んでいましたが、私は気管が長い範囲にわたってスムースに狭小化していることに気がつき、

「甲状腺腫大がありそうです。甲状腺機能低下(粘液水腫)による意識障害あるいは甲状腺クリーゼではないでしょうか」

と言ったら 主治医はすぐに血液検査を追加し、甲状腺機能低下による意識障害と判明しました。

ずいぶん感謝されましたが、放射線科医では気管、気管支は必ずチェックするので自分では当たり前かなと思ってました。

まあ、内科の先生は気管、気管支、前縦隔線、後縦隔線、食道奇静脈陥凹なんて見てないのではないかと思いますが。

肺野が読めない写真でも正解にたどり着くことはあるという事例でした。

それからは胸部写真で、肺以外の疾患(肝硬変、前立腺癌など)をあてることが上手になりました。^^

###

 

 

関連記事

Grant's Atlas of Anatomy, International Edition〈日本向けインターナショナル版〉

Grant's Atlas of Anatomy, International E

記事を読む

医者しか知らない危険な話 / 中原英臣 富家孝

医者しか知らない危険な話 (文春文庫PLUS) 中原 英臣 富家 孝 文藝春

記事を読む

無料の遠隔画像診断 (ただしお試し 月5件)

専用システム不要の遠隔画像診断 以前、個人ベースの遠隔画像診断 という記事で、専用システム不要

記事を読む

レムデシビル本日承認

本日、アメリカのギリアド・サイエンシズが製造している抗ウイルス薬「レムデシビル」が日本で新型コロナウ

記事を読む

「努力は報いを受ける」ことも

昨日の記事” 「努力は必ず報われる」は間違い ”で書き忘れたのですが、努力の方向自体が間違ってい

記事を読む

性染色体について

日本の皇室が男系(男系男性だけでなく男系女性もあった)であることについて議論が沸き起こっています。

記事を読む

「ワクチンで治療する」という言葉

TV でアナウンサーやコメンテーターなどが、「ワクチンで治療する」と言ったりしている場面を見ますが、

記事を読む

画像診断管理加算バブルの終焉 テラークへの影響 (2)

* 画像診断管理加算バブル崩壊が起きた今春からだいぶ経ちました。 まだ密かに抜け道を模索して

記事を読む

【お勧めサイト】 遠隔画像診断 UP TO DATE

* 放射線科読影医にお勧めのサイトとしてこちらを挙げさせていただきます。 ⇒ 遠隔画像診断

記事を読む

研修医1年目の給与明細

本日確定申告に行ったのですが、その後帰宅して後片付けをしていたところ、私が医者になって1年目

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

GS日本株・プラス(米ドルコース)について

「GS日本株・プラス(米ドルコース)」という投信はまだ買っていませんが

GS日本株・プラス(通貨分散コース)の最初の配当

超高配当(現時点では)で有名な「GS日本株・プラス(通貨分散コース)」

久々の linux体験

Distrowatch.com を久々に見てみると、過去6ヶ月の注目度

2026-3-9 日経平均も下げ

イラン戦争のおかげで全世界株安のようです。 ハメネイ氏の次男をイラン

凶器・・・なのか

先週、自宅のマンションの共用庭でステンレスの包丁が発見されました。

→もっと見る

  • 2026年3月
     1
    2345678
    9101112131415
    16171819202122
    23242526272829
    3031  
  • アクセスカウンター
PAGE TOP ↑