抜打ち庄五郎 (講談社文庫) / 新宮正春
公開日:
:
読書
![]() |
抜打ち庄五郎 (講談社文庫) 新宮 正春 講談社 2005-06 売り上げランキング : 409537 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
★★★☆☆
新宮さんの時代小説は伏線と脇道が多くて結構面白いです。
この本は8篇の短編小説を集めたアンソロジー。
表題作の「抜打ち庄五郎」は十津川藩士中井庄五郎の話。名前は見たことがありますが、この人を主人公にした小説は初めて。坂本龍馬にもらった剣を大切に扱いすぎたばかりに不覚をとった話です。
「首獲り新介」は今川義元の首を獲った毛利新介のその後を描いています。
「二十万石の礎」は南部藩と宿敵津軽藩の暗闘がテーマ。
「九箇の太刀」は神子上典膳が柳生宗矩に一泡吹かせる爽快な話。
「吹毛の剣」は上泉秀綱の次男泰綱が主人公。関ヶ原での敗戦を知り最上退治から兵を返した直江兼続軍のしんがりをつとめ、よきライバルと一騎打ち。
「秘剣笠の下」は明から尾張にやってきた陳元贇が主人公。秘剣を使う浪人に少林拳で対する少し変わったシチュエーション。
「水野忠央の蹉跌」は将軍家茂、大老井伊直弼の就任に駆け回った水野忠央の人生を描く。
「左兵衛様ご無念」の左兵衛様とは吉良上野介の孫で討ち入り当時の藩主義周のこと。
赤穂浪士の忠臣蔵はまことにもって不埒な話で、すぐキレる精神病持ちの赤穂藩主が後ろから斬りつけた文官の老人を逆恨みして、元の家来たちが虐殺したとんでもない暴挙と私は考えます。
もともと吉良家は文官で、武人は皆無、領内に城はなく軍馬も飼っていなかったような特殊な藩だったわけ。逆上した赤穂浪人どもにやられてお家まで断絶。
吉良家が憲法9条を持っていても当然防げなかったでありましょう。
###
関連記事
-
-
「義を見てせざるは勇無きなり」のほんとうの意味
以前の記事「韓流時代劇と朝鮮史の真実 (扶桑社新書) / 宮脇 淳子 」の中で書くのを忘れました
-
-
身のまわりのすごい技術大百科 / 涌井貞美、涌井良幸
★★★☆☆ サイエンスライターとして有名な涌井ブラザーズが身のまわりにある「便利なモノ」に
-
-
あなたはなぜ値札にダマされるのか?―不合理な意思決定にひそむスウェイの法則 / オリ ブラフマン ロム ブラフマン
あなたはなぜ値札にダマされるのか?―不合理な意思決定にひそむスウェイの法則 オリ
-
-
人生の億万長者になろう / 中谷彰宏
★★★☆☆ ナカタニ本。 今回は道楽について。 道楽名人が「人生の」億万長者とい
-
-
グーグル時代の情報整理術 / ダグラス・C. メリル ジェイムズ・A. マーティン
グーグル時代の情報整理術 (ハヤカワ新書juice) ダグラス・C. メリル ジ
-
-
嘘だらけの日韓近現代史 (扶桑社新書) / 倉山 満
嘘だらけの日韓近現代史 (扶桑社新書) 倉山 満 扶桑社 2013-11-30
-
-
朝日新聞がなくなる日 – “反権力ごっこ"とフェイクニュース / 新田哲史 宇佐美典也
朝日新聞がなくなる日 - “反権力ごっこ"とフェイクニュース - posted
-
-
朝日リスク 暴走する報道権力が民主主義を壊す / 櫻井よしこ 花田紀凱 (2)
朝日リスク 暴走する報道権力が民主主義を壊す (産経セレクト S 9) pos
-
-
ドグラ・マグラ / 夢野久作
ドグラ・マグラ (まんがで読破) 夢野 久作 バラエティ・アートワークス







