「学力」の経済学 / 中室牧子(2)
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読書
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★★★★☆(科学的根拠のある有益な知見が載っています)
「「学力」の経済学 / 中室牧子(1)」」の続きです。
子ども手当は無意味
親への補助金は子どもの教育に及ぼす効果はない。
コイズミシンジロウ、わかってるか?
行き過ぎた平等は逆効果
学校で平等を重視した教育の影響を受けた人は、他人を思いやり、親切にしあおうという気持ちに欠ける大人になりやすい。
能力が足りない仲間を努力しないせいだと誤解するのだそう。
「あいつはアホやからしょうがない」と寛大な心で許すのではなく、「あいつは怠けモンや」と思っちゃうわけ。
日本ではデータを公表しない傾向にある
日本はデータを研究者に対しても公開しないことが多いそうな。
南アフリカでは政府統計のデータをインターネットで世界に向けて公表している。
これは外国の優れた人が勝手に分析してくれるのを期待してやっているそう。
先生の質が重要
下位5%の教師を辞めさせて平均的な教師を採用すれば、生徒の生涯収入を 2500万円上昇させることができるというアメリカのデータがある。
日本でも考えましょうよ。
教員研修に意味はない
教員研修には教員の質を上げる効果がないという複数のデータがアメリカで出ている。
教員免許は不要
そもそも教員免許のない国もある。
教員免許が教師の質を担保できていないというデータがあり、教員免許があると他分野の優秀な人が教員になれないため逆に有害とも考えられている。
やっぱり
一番衝撃的なのはマダガスカルの実験。
子と親に「学歴と年収の相関関係のデータ」を見せると、見せなかった群に対して学力向上を示し、その程度はアメリカテネシー州で2年間の少人数学級(20人以下)を行った効果より高かった。
ほとんどお金のかからない方法で、非常に人件費のかかる方法をより短期間で打ち負かすことができたのです。
やはり人間の金銭欲はすごい。
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