漢字三昧 / 阿辻哲次
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読書
★★★☆☆
著者の専門は中国文字文化史とかで、専門的な話が聞けます。
今まで疑問に思っていたこともこれで氷解。
たとえば、
漢字の多くは「死文字」
漢字の多くは「死文字」だそうです。
難解な漢字は多いですが、それらの多くはたまたま書かれたものが字典に記録されただけ。
そのため後世に残ったが、実際に使われたことはわずかで、これから使われることはまずないという話です。
最も収録文字数の多い漢字字典は中華字海
中華字海という中国で編まれた字典は現代中国で使っている簡体字も載っているため、中華に古くからある字典(康煕字典など)や日本で発行された字典の倍近くの文字数があります。
漢字は今でも表意文字
漢字は会意などのワザを使って新しい字を作り出してきたが、作られたものも表意文字で、表音文字はなかった。
アルファベットという表音文字が、フェニキア人の使っていた表意文字から作られたというようなことは起こらなかった。
日本では漢字からひらがなやカタカナが作られたが、明治時代日本に留学した中国人学生たちも帰国して仮名を作ることはなかった。
甲骨文字は古代文字?
甲骨文字を古代文字と書いた新聞社があったが、甲骨文字や金文(ともに殷時代に使われた)は漢字という文字体系のフォントでしかないのです。
フォントというか字形は変わるけど同じ文字の見た目が変わるだけで、字や意味は同じなんですね。
それ以外にもいろいろ載っていて、目からうろこ・・・頭がスッキリしました。
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